政治・経済

「失われた30年」という人災の真実

taka

1997年という悪夢の始まり

1997年、平成9年。山一證券の自主廃業や北海道拓殖銀行の破綻など、日本が激動の金融危機に揺れた年である。だが、本当に深刻だったのは銀行の破綻ではない。この国の経済に、最も深い傷を刻んだ「政策判断」があった。

この年の4月1日、消費税率が3%から5%に引き上げられた。たった2ポイントの増税。されど、この一手がその後30年にわたる日本経済の悲劇の幕を、決定的に開けることになる。あなたが人生で最も稼げるはずだった30年間、給料が上がらなかったのは努力不足のせいではない。明確な「政策の失敗」が引き起こした人災である。

成長を止めた名目GDPの謎

経済の規模を示す最も重要な指標が、国内総生産、すなわち名目GDPである。国全体の「年収」のようなものだが、日本の名目GDPがいつピークだったかをご存じだろうか。答えは1997年、まさに消費税が5%に引き上げられたその年である。

日本経済は約550兆円をピークに、その後20年以上も成長を止めた。同じ期間にアメリカは3.5倍、中国は10倍、成熟したドイツやイギリスでも2倍前後の成長を遂げている。日本だけが世界経済の成長軌道から外れ、凍りついたように立ち尽くした。すべての悪夢は、あの春の消費増税から始まったのだ。

賃金下落とデフレの正体

暮らしを直撃する賃金も転落の一途をたどる。雇用者の標準的賃金指数は、1997年の109.1をピークに、近年では98.1へと約10%も低下した。給料が減る一方で、消費税は8%、10%へと引き上げられ、社会保険料も上がり続けた。

手元に残るお金が削られれば、当然消費は冷え込む。消費が落ちれば企業の売り上げは伸びず、賃上げもできない。これが「デフレ・スパイラル」の正体だ。政府は景気対策としてアクセルを踏む裏で、消費税というブレーキを同時に踏み続けてきたのである。

「人口減少が原因」という嘘

停滞の理由として、政府は決まって「少子高齢化による人口減少」を挙げる。だが、これは因果関係が完全に逆だ。若い世代が将来への経済的不安から、結婚や出産を諦めざるを得なかったのである。つまり、経済停滞が人口減少を引き起こしたのだ。

日本の「失われた30年」は、自然現象でも人口減少のせいでもない。緊縮財政と消費増税がもたらした明確な人災である。人災である以上、間違った政策を正せば、この国は再び歩き出すことができるはずだ。

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ABOUT ME
TAKA
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理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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