政治・経済

「失われた30年」の真犯人。デフレと停滞の理由

taka

終わらない不況。バブル崩壊の長すぎるツケ

1990年代のバブル崩壊以降、日本経済は「失われた30年」とも呼ばれる極めて長い低迷期を歩んできた。近年ようやく潮目が変わりつつあるとはいえ、1991年を起点とすれば、実に30年以上にわたってバブル崩壊のツケを払わされ続けてきたことになる。 なぜ、日本の不況はここまで長期化してしまったのか。これから日本経済を真の再生へと導くためには、まず、この国を覆い尽くした「長期低迷の根本的な原因」を正確に直視しなければならない。

異常事態を示すデータ「企業貯蓄率」

その原因を解き明かす鍵となるのが、「企業貯蓄率」と「消費者物価指数」の関係である。 本来、企業というものは金融機関から資金を借り入れ、設備投資や研究開発、人材育成に充てることで成長していく。つまり、企業の貯蓄率は「マイナス(借金超過)」である状態が正常といえる。事実、バブル期に向かう1980年代後半の日本企業は、旺盛な投資を行い、貯蓄率は大きくマイナスに振れていた。しかし、バブル崩壊を境に、この当たり前だったはずの前提が大きく崩れ去ることになる。

金融危機のトラウマと借金への恐怖

1990年代後半、過剰な不動産融資のツケが回り、名門と呼ばれた巨大金融機関が次々と経営破綻に追い込まれた。生き残りをかけた銀行は、新規の融資を絞る「貸し渋り」や、既存の融資を強引に回収する「貸し剝がし」へと走る。 この金融の機能不全は、日本企業に深いトラウマを植え付けた。「借金は悪である」という過度な恐怖症に陥った企業は、なりふり構わず「無借金経営」へと突き進むことになる。生き残るため、雇用や賃金、将来への投資を限界まで削り落とす凄惨なリストラを断行し、その資金をひたすら借金の返済へと回し続けたのである。

需要破壊が招いた「構造的デフレ」

その結果、異常な事態が起きた。本来お金を借りて投資すべき企業が、資金を抱え込むようになり、企業の貯蓄率が「プラス」という特異な領域に定着してしまったのだ。 国内の企業が一斉に支出を切り詰めたことで、日本全体から巨大な需要が消失した。これこそが、日本経済を底なしの低迷へと引きずり込み、長きにわたる構造的デフレを引き起こした「真犯人」である。企業がお金を使わなければ物価は下がり、経済は冷え込む。この悪循環のメカニズムを理解することが、日本経済再生への第一歩といえるだろう。

スポンサーリンク
ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
スポンサーリンク
記事URLをコピーしました