自己啓発

『デフレは国を蝕む病――縮む経済と失われる国力』

taka

デフレは「お金の量」ではなく「需要の不足」から始まる

多くの人は、デフレを「お金の発行量が少ないから起きる」と考える。
だが、真実は違う。インフレやデフレを決定するのは「需要と経済力のバランス」だ。
モノやサービスを買う意欲――つまり需要が弱まれば、どれほどお金を発行しても経済は動かない。
現代日本のデフレは、まさにこの「需要不足」が原因である。

バブル崩壊が生んだ“節約の連鎖”

バブル経済とは、土地や株といった資産を「値上がり目的」で買い漁る投機の狂乱である。
その崩壊は、国民に膨大な債務と不安を残した。
借金返済に追われた家計は消費を減らし、企業はリストラで支出を抑える。
さらに政府までもが増税と公共投資削減という緊縮政策を実施した――それが1997年、橋本政権下の日本だった。
翌1998年、日本はついに「デフレ国家」へと転落する。

デフレギャップが国力を奪う

需要が減ると、企業は工場を閉鎖し、人員を削減し、生産能力を縮小する。
それは「経済力そのものの喪失」を意味する。
失業者が増え、消費がさらに落ち込み、デフレギャップは広がる。
こうして「需要減→生産縮小→所得減→需要減」という負の循環が繰り返され、国は静かに弱体化していく。

世界の中で縮む日本

1994年、日本のGDPは世界の17.5%を占めていた。
だが、デフレが続いた1998年以降、その比率は下がり続け、2015年にはわずか5.6%。
国民が働く意欲を失ったわけでも、生産技術が劣ったわけでもない。
デフレが長期化した結果、国全体の経済力が削がれていったのだ。

政府だけがデフレを止められる

民間が支出を控えるデフレ下では、政府こそが「最後の需要」を創出しなければならない。
公共投資や社会保障への支出は、単なる浪費ではない。
それは国民の所得を支え、失われた生産能力を再び呼び覚ますための“命綱”である。
ところが、国民の多くは「節約こそ美徳」という価値観に染まり、政府支出を批判する。
その結果、デフレは終わらず、悪循環が続く。

デフレが導く“発展途上国化”

デフレを放置すれば、生産力は衰え、ついにはモノやサービスを自国で十分に供給できない国になる。
それは先進国から発展途上国へと転落することを意味する。
国を救う唯一の方法は、政府が恐れず支出を拡大し、需要を生み出すこと。
お金を回す勇気こそが、未来の豊かさを取り戻す第一歩なのだ。

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ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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