政治・経済

【歴史から見る】消費税を最初に言い出したのは誰?導入の裏にあった財界の思惑とは

taka

多くの人が悩んでいるので今回はその解決策を、という形で、今日は「消費税って誰が言い出したの?」という素朴な疑問を深掘りします。実は、消費税の始まりには政府ではなく、意外なプレイヤーがいたんです。

消費税を最初に提案したのは財界だった

消費税といえば、「政府や大蔵省(現・財務省)が決めたもの」と思われがちですが、実際に最初に導入を提案したのは、**経団連(日本経済団体連合会)**でした。

1978年12月、当時の経団連会長だった土光敏夫氏(元IHI・東芝社長)は、記者会見で「法人税の増税には反対だが、消費税なら可能性がある」との姿勢を示します。経団連の税制特別部会は、税率5%・年商1000万円未満の企業は非課税とする一般消費税の構想を打ち出しました。

つまり、「企業に負担をかける法人税ではなく、消費税の導入によって税収を確保しよう」というのが財界の主張だったのです。

なぜ経団連は消費税を求めたのか?

経団連などの財界が消費税導入を求めた背景には、法人税率の引き下げを目指していたことがあります。景気回復期にある企業活動の芽を潰したくないという理由から、「法人税は上げたくない、でも税収は必要だ」という論理です。

そこで目をつけたのが、「間接税」である消費税。企業の収益に直接影響を与えずに税収を確保できる上、ある特別なメリットがあったのです。

消費税の本当の狙いは“輸出補助金”だった?

実は、消費税(世界的には「付加価値税」=VATと呼ばれます)は、もともと「政府支出を必要としない輸出補助金」としての役割を持っていました。これが最大の特徴です。

1954年、フランスが自動車メーカー「ルノー」の輸出支援のために、現代型付加価値税を導入します。この仕組みによって、輸出企業は仕入時に払った消費税分を「輸出戻し税」として還付されるようになりました。

つまり、国内市場では消費税を徴収しつつ、輸出時にはそれを控除・還付することで、実質的に**「税金のかからない輸出」=輸出補助金**のような仕組みが完成したのです。

日本ではなぜ「付加価値税」と呼ばないのか?

世界中で「付加価値税」と呼ばれているのに、日本ではなぜ「消費税」という名前なのか? その理由のひとつは、「税の正体をぼかすため」とも言われています。

実際、日本では1949年、GHQの招聘で来日したシャウプ博士の提言(シャウプ勧告)によって、付加価値税の法案が一度成立しています。ただ、あまりに複雑で事業者の負担が大きく、施行されることはありませんでした。

その後、フランスのローレが考案した「現代型付加価値税」は、売上から仕入れを差し引いて課税する“インボイス方式”を採用し、効率的な税制度として各国に広まっていったのです。


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まとめ:消費税の提案は財界から、目的は法人税軽減と輸出支援だった

消費税を最初に提案したのは政府ではなく、**法人税を減らしたいと考えていた財界(経団連)**でした。そしてその背後には、輸出企業を有利にするための制度設計という、経済的な戦略があったのです。

この情報が皆さんのお役に立てば幸いです。

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ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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