政治・経済

なぜ日本で“付加価値税”ではなく“消費税”なのか?財界と税制の裏側

taka

多くの人が悩んでいるので今回はその解決策を。今回は「なぜ日本に消費税が導入されたのか?」「自民党はどのように誕生したのか?」という疑問を、歴史の流れに沿って分かりやすく解説します。


世界で広がる付加価値税、そして日本にも導入の圧力が

1950年代以降、フランスをはじめとする多くの国々が「付加価値税(VAT)」を導入しました。これは、輸出企業に対して財政支出なしで“還付金”という形の輸出補助金を支給できる画期的な制度だったのです。

その一方で、日本から輸出される製品には、輸出先の国で付加価値税が課せられます。これは実質的には「関税」と似たような仕組みでもあります。

このような国際的な状況の中で、日本の輸出企業が多く集まる**経団連(日本経済団体連合会)**が「日本でも付加価値税を導入すべきだ」と強く求めるのは、自然な流れでした。


でも、なぜ「消費税」という名前に?

実は日本では、戦後すぐの1949年に「シャウプ勧告」に基づき、一度“付加価値税法”が成立しています(施行はされませんでした)。このため、同じ名称で新たな税制を導入することができず、代わりに「消費税」という名前が採用されたのです。

しかしこの「消費税」は、実質的にはヨーロッパで導入されたローレ型の付加価値税と非常に近いものです。


インボイス制度の背景にも「輸出補助金」の仕組みが

フランスで考案されたローレ型の付加価値税では、バリューチェーン(商流)全体で税を課し、最終的に輸出企業には税率0%で還付する仕組みになっています。このとき、商流全体でどれだけの消費税が支払われたかを正確に把握する必要があり、そこで登場するのが「インボイス制度」です。

一方、アメリカ的な「シャウプ型付加価値税」では、企業単体の付加価値(売上−仕入)に課税するだけなので、インボイスは不要でした。

つまり、インボイス制度は輸出補助金制度の一部として始まったものであり、むしろ日本が最近になってインボイスを導入したことの方が“例外”なのです。


なぜ経団連は消費税率の引き上げを望むのか?

この仕組みを理解すれば、経団連が常に消費税率の引き上げを主張している理由も見えてきます。なぜなら、消費税率を上げれば、それだけ輸出企業への還付金=輸出補助金が増えるからです。

消費税は、消費者が払う税のように見えて、実は輸出企業にとって有利な制度として機能しているのです。


自民党誕生の裏にも「財界の意向」があった

実は、1955年に自民党が誕生した背景にも、財界(特に経団連)の後押しがありました。当時、社会党が再統一の動きを見せていたことで、財界は危機感を抱き、保守勢力に「合同」を促したのです。

その結果、アメリカ追随路線の「日本自由党」(吉田茂派)と、日本の自主独立を掲げた「日本民主党」(鳩山一郎派)が合流し、自由民主党が結成されました。

つまり、自民党は最初から異なる路線を持つ保守政党の“合同体”だったのです。今でも自民党内での意見対立が絶えないのは、その出自にあるとも言えるでしょう。


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まとめ:消費税導入も自民党結成も、財界の力が大きく関わっていた

  • 付加価値税(消費税)は、輸出企業への補助金として機能している
  • インボイス制度は、その還付の正当性を証明するために必要な仕組み
  • 自民党は、財界が保守合同を後押しして誕生した政党だった
  • 経団連が消費税率の引き上げを望むのは、還付金を増やすためだった

税制度と政党の成り立ちは、意外にも深くつながっているものです。この情報が皆さんのお役に立てば幸いです。

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ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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