主婦年金廃止の裏に潜む家事代行ビジネス
第3号被保険者制度の廃止は何を意味するのか
現在、第3号被保険者制度、いわゆる「主婦年金」を縮小・廃止しようとする動きが進んでいる。表向きは制度の不公平感を是正するためとされているが、その背後には別の意図が透けて見える。専業主婦を労働市場に引きずり出し、社会保険料をより多く徴収したいという政府の思惑である。しかし、親が働きに出れば、当然ながら子育てや家事を誰が担うのかという深刻な問題が浮上する。ここに対する政府の回答が、あまりにも不自然であるといえる。
家事支援サービスの国家資格化という不自然な動き
その回答とは、家事支援サービス、特にベビーシッターの利用促進である。政府は、他人が自宅に入ることへの心理的ハードルを下げるためとして、家事支援サービスの国家資格創設や減税措置まで検討している。子育て世帯全体の負担を減らすのであれば、シンプルに社会保険料を引き下げるか、一律の減税を行えばよいはずだ。なぜ、これほどまでに「特定のサービス」を利用させることにこだわるのだろうか。そこには、ある種の利権が絡んでいると考えるのが自然であろう。
背後に見え隠れする人材派遣業界の影
この不自然な推進策の恩恵を受けるのは誰か。注目すべきは、大手人材派遣会社が展開する家事代行サービスである。過去の経済政策において影響力を持った人物が関わる企業が、この分野に力を入れている事実は見過ごせない。さらに、経済団体の提言には「家事支援への外国人受け入れ」が明記されており、実際に一部の企業では外国人スタッフによるサービスが既に展開されている。つまり、主婦を働かせ、空いた家事育児の穴を特定企業のサービスで埋めさせるという、巨大なビジネスモデルが構築されつつあるといえる。
国民不在の政策に私たちはどう向き合うべきか
これらの一連の動きを俯瞰すると、一つのシナリオが浮かび上がってくる。主婦年金の廃止により共働きを強制し、家事代行やベビーシッターの需要を人為的に創出する。そして、その利益は一部の企業へと流れ込む。そこには、親子の絆や各家庭の事情といった、国民のリアルな感情や生活への配慮が欠落しているように思えてならない。私たちは、表向きの「改革」という言葉に惑わされることなく、その裏にある構造を冷静に見極める必要があるといえるだろう。
