政治・経済

参院選が示した転換点──国民が求めた「積極財政」という答え

taka

物価高と実質賃金の下落

第27回参議院選挙の最大の争点は「物価対策」であった。
物価上昇が続く一方で、賃金の伸びはそれに追いつかず、実質賃金は下がり続けている。
国民の生活が苦しくなる中、政府が行ったのは企業への「賃上げ要請」のみ。
要請には財政支出が伴わず、結局は実効性に欠けた。
「国民一人当たり2万円の給付」という公約も、根本的な解決にはほど遠い。

「消費税を守り抜く」発言が象徴した乖離

選挙戦のさなか、自民党の森山裕幹事長が「消費税を守り抜く」と発言した。
物価高に苦しむ国民感情を考えれば、この言葉は火に油を注ぐ結果となった。
野党が消費税減税や廃止を訴える中で、自民党は緊縮財政を堅持。
国民の暮らしと政権の姿勢の間に、深い溝が生まれた瞬間である。

外国人問題が加わり、争点は二極化

当初は「物価」が争点であったが、選挙後半には「外国人政策」も注目を集めた。
参政党が掲げた「日本人ファースト」のスローガンが支持を拡大し、自民党は急遽「違法外国人ゼロ」を唱え出す。
しかし、これまで外国人問題を放置してきた与党の姿勢は信頼を得られず、国民の心は離れていった。

三連敗が示す国民の意思

2024年の総選挙、2025年の都議選、参院選──自民党は主要選挙で三連敗を喫した。
代わって躍進したのは、国民民主党と参政党。
いずれも「積極財政」を掲げ、緊縮財政からの転換を訴えた政党である。
藤井聡・京都大学教授の分析によれば、第26回から第27回参院選の間で、有権者の4分の1以上が緊縮財政派から積極財政派へと移行したという。

若者が選んだ未来の方向性

興味深いのは、積極財政を支持した層が若い世代に多い点である。
一方、緊縮財政を支持した政党は高齢層が中心。
この構図が続けば、時間とともに国会の多数派が「積極財政派」へ移るのは必然といえる。
若い世代は、縮小ではなく「成長」を求めているのだ。

自民党が失った「保守」としての軸

自民党はもともと、保守とリベラルを併せ持つ大きな器の政党だった。
しかし岸田政権以降、LGBT法の成立や選択的夫婦別姓の推進など、リベラル寄りの政策が目立ち始めた。
経済では緊縮を続け、社会政策では急進的改革を進めた結果、伝統的な保守層は離反。
その受け皿となったのが、参政党や日本保守党だった。
国民が求めているのは、ただの政権交代ではない。
「日本経済を立て直す意志のある政治」なのである。

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ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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