政治・経済

移民政策の始まりは“財界の要請”だった?技能実習制度と日本経済の関係を解説

taka

多くの人が「なぜ今、日本にこれほど多くの外国人労働者がいるの?」と疑問に思っているので、今回はその背景となった政策の流れをわかりやすく解説します。


🔹出入国管理法改正と“事実上の移民政策”

2018年12月8日、当時の安倍政権は「出入国管理法改正案」を参議院で強行採決。これにより、条件を満たす外国人に対して「特定技能1号」「特定技能2号」という新たな在留資格が認められることになりました。

特に特定技能2号は、家族の帯同も可能で、これまでの“単身赴任型”から一歩進んだ、事実上の移民受け入れ政策といえる内容です。


🔹なぜ「移民」と言わなかったのか?

自民党の支持基盤には「保守層」が多く、移民政策への反発が予想されました。そこで、「技能実習生制度」という名目を使うことで、直接的な“移民”という表現を避けながら、実質的な受け入れを進めてきたのです。

この背景には、財界の強い要望がありました。低賃金で働く労働力が必要だったため、技能実習制度は、いわば「安価な労働力確保の手段」として拡大していきました。


🔹技能実習制度の歴史と問題点

技能実習制度の前身は、1960年代から存在する「研修制度」でした。これは元々、海外に拠点を持つ日本企業が現地社員を日本で研修させるための制度でした。

しかし、1980年代後半以降、中小企業にも人手不足が広がり、「海外拠点を持たない企業」にも研修制度を開放。1990年には、団体を通じて研修生を受け入れる「団体監理型」が始まり、1993年には技能実習制度が本格化しました。

この制度の“建前”は、「技術移転を通じた国際貢献」ですが、実態は「安く、転職もできない労働力」としての扱いが主でした。転職の自由がなく、日本人よりも約3割も低い賃金で働かされるなど、多くの人権問題が指摘されています。


🔹制度の拡大と日本経済への影響

民主党政権期までは、日本の外国人労働者数は70万人以下に抑えられていましたが、2012年に再び自民党が政権に戻って以降、急増します。

この流れは、「株主資本主義」の観点から見れば、人件費の抑制による企業利益拡大につながりますが、同時に深刻な副作用ももたらしました。

  • 日本人労働者との賃金競争が激化
  • 国内の賃金水準全体が引き下げられる
  • 生産性向上のための設備投資が抑制される
  • デフレ圧力が強まる

結果として、経済成長に必要な“中長期的な投資”が行われず、日本のデフレ傾向はさらに強まるという悪循環が続いたのです。


📝まとめ:今後の議論が必要なテーマ

技能実習制度は、表向きは「国際貢献」ですが、実態は“安価で使い捨て可能な労働力”を国内に呼び込む手段になっていたと言えます。そして、その政策を推進したのは、政治ではなく財界のニーズでした。

今後は「本当に人手不足を埋めるためなのか?」「日本人の雇用や生活をどう守るのか?」といった視点で、より深い議論が必要です。


この情報が皆さんのお役に立てば幸いです。
今の技能実習制度について、あなたはどう思いますか?ぜひコメントでご意見をお聞かせください。

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ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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