金利上昇=財政破綻の嘘。経済再生を告げる産声
金利上昇は「財政破綻」の兆候ではない
最近、償還まで30年以上という「超長期金利」が急上昇している。2026年に入り3.7%台をつけるなど、かつてのゼロ近辺と比べると劇的な変化だ。これを見て、世間では「ついに国の借金が限界に達した」「国債が売られ、財政破綻が近づいている」といった不安を煽る声が方々で飛び交っている。しかし、マクロ経済のデータから見れば、この懸念は全くの的外れである。今の金利上昇は、決して財政崩壊を知らせるネガティブな兆候ではない。
超長期金利は何によって決まるのか
そもそも、30年や40年といった超長期の国債利回りは、何を目安にして決まるのだろうか。何十年も先の日銀の政策金利を正確に予想することなど誰にもできない。そのため、投資家は「日本経済全体の名目GDP成長率」が将来どの程度になるかを指標として売買を行う。 つまり、名目GDPの成長率が高まれば超長期金利も上がり、経済が停滞すれば金利も下がるというシンプルな構造なのだ。かつて超長期金利が1%以下の水準を這いつくばっていたのは、日本がデフレに苦しみ、全く成長しない「0%成長」の時代だったからに過ぎない。
「名目3%成長」という日本経済の復活
では、なぜ今になって金利が3%台後半にまで上がってきたのか。それは、積極財政をはじめとする政策効果により、日本がいよいよ「実質成長率1%」と「物価上昇2%」を合わせた、「名目3%台の成長」が期待できる国へと復活してきたからだ。 将来の経済が3%成長する見込みであるならば、超長期金利が3%台で推移するのは極めて健全で自然な姿といえる。決して、国債の信認が失われて投げ売りされているわけではない。一向に膨らまなかった日本経済が、ようやく自力で成長できるフェーズに入った証拠なのである。
金利のある世界は「再生のシナリオ」
もちろん、指標となる10年国債の金利も緩やかに上昇している。しかし日銀は、日本の内需の回復度合いを慎重に見極めながら、景気を冷やさないペースで利上げを行っており、実質的にはまだ緩和的な環境が保たれている。 今後、日本の内需が力強く拡大し、デフレから完全に脱却すれば、長期金利が3%、超長期金利が4%へと健全に上昇していく日も来るだろう。今起きている金利の上昇は、財政破綻の足音などではない。日本経済が力強い「再生のシナリオ」を歩み始めたことを証明する、確かな産声といえる。
