政治・経済

食料品消費税ゼロの罠。高市早苗氏の「悲願」が飲食店を潰す

taka

公約の裏に見える「理解不足」

ついに衆院選が始まり、自民党までもが「食料品の消費税ゼロ」を公約に掲げた。高市早苗氏はこれを自身の「悲願」だと語るが、その実態はお粗末と言わざるを得ない。党首討論における玉木氏とのやり取りで露呈したのは、高市氏が制度の根幹である「免税」と「非課税」の違いすら明確に理解していないという事実だ。

仕入れ税額控除が可能で還付が受けられる「免税」か、控除不可の「非課税」か。この二択は事業者にとって天と地ほどの差がある。ここを曖昧にしたまま「ゼロにします」と叫ぶのは、あまりに無責任なポピュリズムではないだろうか。

「免税」か「非課税」か、致命的な欠陥

仮にこれが「免税」だとしても問題は残る。輸出大企業が消費税還付で利益を得ているのと同様、大手食品メーカーが還付金でボロ儲けする構図になりかねないからだ。一方で、その恩恵が末端価格に反映される保証はない。

さらに深刻なのが「非課税」となった場合だ。食料品販売の事業者は仕入れにかかる消費税を控除できず、その負担はコストとしてのしかかる。結果、価格は下がらず、むしろ企業の内部留保が増えるだけという最悪のシナリオも想定される。高市氏はこの複雑な制度設計を整理できているようには見えない。ただ「ゼロ」という響きの良さに頼っているだけではないか。

飲食店を直撃する「実質増税」の恐怖

この政策の最大の被害者は飲食店である。食料品が0%になっても、飲食店での提供は10%のままだ。仕入れ時の税金がゼロになれば、一見プラスに見えるかもしれない。しかし、納入業者が「消費税分」を値下げせず、そのまま価格を据え置けばどうなるか。

飲食店は仕入れ税額控除を使えないまま、高い仕入れ値を負担することになる。これは実質的な増税に等しい。さらに、テイクアウト(0%)とイートイン(10%)の価格差が拡大すれば、客足は遠のき、個人経営の店から順に潰れていく未来が見える。現場の混乱は計り知れない。

本当に必要なのは「一律減税」である

試算によれば、この食料品非課税にかかる財源は約5兆円。これだけの予算があれば、消費税を一律8%に引き下げることが可能だという。特定の業界だけを優遇し、現場を混乱させる複雑な制度を作るより、一律減税の方が遥かに合理的であり、インボイス問題の解消にも繋がる。

「悲願」という感情論で語る前に、まずは経済の仕組みを直視すべきだ。耳障りの良い公約の裏に潜むリスクを、我々は冷静に見極める必要があるだろう。

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TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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