「『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』100年時代を生き抜く人生戦略とは?」
『LIFE SHIFT』とは?
2016年に刊行された『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』は、リンダ・グラットンとアンドリュー・スコットによる世界的ベストセラーです。テーマは「100年時代の人生戦略」。
かつて人生は「教育→仕事→引退」という直線的な3ステージ型が当たり前でした。ところが、長寿化が進む現代では、70代・80代まで働き続けるのが普通になります。その結果、人生は「マルチステージ型」へと移行し、学び直しやキャリアチェンジを繰り返す生き方が主流になっていくのです。
本書は、そんな激変する時代に必要な「資産の考え方」と「生き方のヒント」を示してくれる人生の指南書です。
100年ライフで問われる3つの見えない資産
著者たちは、金融資産だけでなく、**「見えない資産」**への投資が長寿時代を豊かに生きるカギだと説きます。
1. 生産性資産
スキル、知識、専門性、そして信頼できる仲間や評判。
キャリアを支える基盤であり、生涯を通じて新しいスキルを学び直す姿勢が不可欠です。
2. 活力資産
健康、人間関係、前向きな感情。
長く働き続けるためには体力や心の健やかさが重要。親しい友人や家族との絆も幸福度を支える大きな要素です。
3. 変身資産
新しいステージに移行する力。
自分を深く知り、多様な人とつながり、新しい経験にオープンであること。これにより、変化を柔軟に受け入れ、自己を再創造できます。
マルチステージの人生とは?
『LIFE SHIFT』では、新しい生き方のモデルとして以下の3つのステージが紹介されます。
- エクスプローラー(探検者)
世界を旅し、多様な価値観に触れながら自分の可能性を探る時期。 - インディペンデント・プロデューサー(独立生産者)
組織に属さず、自分の力で小さなビジネスや活動を生み出すステージ。 - ポートフォリオ・ワーカー
複数の仕事や活動を同時並行で行い、人生のリスクを分散しながら充実度を高める生き方。
これらのステージは年齢に縛られるものではなく、誰もが自由に行き来できるものです。
100年時代の人生戦略
長寿社会を生き抜くために必要なのは、次の3つです。
- 学び続ける姿勢
キャリア初期に得たスキルだけでは100年を支えきれません。生涯学習が必須となります。 - 健康への投資
長く働き続けるためには、心身の健康を維持することが欠かせません。 - 柔軟なキャリア設計
引退年齢を前提にしたキャリアプランは時代遅れ。複数の働き方や生き方を掛け合わせ、変化に対応する力が必要です。
まとめ
『LIFE SHIFT』は、単なる「老後対策本」ではありません。
それは、100年をどう生きるかを考える人生デザインの教科書です。
- 長寿社会では「マルチステージ型の人生」が当たり前になる
- 金銭的資産だけでなく「見えない資産」をどう育てるかがカギ
- 生涯を通じて「変身」を繰り返す覚悟が必要
人生100年時代を前向きに生き抜くための必読書。キャリア設計に迷っている方、これからの生き方を考えたい方に、強くおすすめできる一冊です。
