自己啓発

ライフスタイルが変わるときはいつ?|アドラー心理学が語る性格変化の条件

taka

「性格は変えられるのか?」
誰もが一度は抱くこの問いに、心理学者アルフレッド・アドラーは独自の答えを提示しました。

著書『生きる意味を求めて』の中で彼はこう述べています。

基本的にライフスタイルは人生の最初の数年で形成され、変えることはできない。
しかし、もし変えることができるとすれば――
人が成長の中で自分の誤りを理解し、人類全体の幸福に寄与することを目的として、他者と交友するようになったときである。


幼少期に形成されるライフスタイル

アドラー心理学では「ライフスタイル」とは、その人の 世界の捉え方と行動パターン を指します。
これは遺伝よりも環境の影響を大きく受け、子ども時代に周囲との関わりを通じて形成されます。

  • 親や先生の態度
  • 兄弟関係や友人関係
  • 成功や失敗の経験

こうした要素から、「自分はどういう存在で、世界はどんな場所か」という基本的な信念が形づくられます。
アドラーは4〜5歳、現在のアドラー心理学では10歳頃までにほぼ固まると考えられています。


ライフスタイルは本当に変わらないのか?

アドラーは「基本的には変わらない」と言いますが、それは「完全に固定される」という意味ではありません。
大人になってからの経験や選択によって、ライフスタイルが 修正・成長 する可能性はあるのです。

ただし、その変化には条件があります。


変化が起こる条件① 誤りを理解する

ライフスタイルが変わる第一の条件は、自分の思い込みや誤りに気づくことです。

  • 「自分は無力だ」 → 実際にはできることもあると理解する
  • 「他人は敵だ」 → 支えてくれる人がいると気づく
  • 「完璧でなければならない」 → 不完全でも価値があると受け入れる

こうした誤りの修正は、自分を縛っていた信念を緩め、新しい行動の可能性を開きます。


変化が起こる条件② 共同体感覚を育む

第二の条件は、自分だけの幸福ではなく、人類全体の幸福に寄与することを目的に生きること です。
アドラーはこれを「共同体感覚」と呼びました。

  • 他者を仲間だと感じられる
  • 協力や貢献に価値を置く
  • 「自分は社会の一員だ」と実感する

この感覚が育つと、人は孤立から解放され、より建設的なライフスタイルへと変化していきます。


子どもの教育における意味

子育てや教育においても、この考え方は大きな示唆を与えます。

  • 子ども時代に健全なライフスタイルを育てるには「勇気づけ」と「共同体感覚」を意識すること
  • 仮にネガティブなライフスタイルを持ってしまっても、大人になってから修正の可能性があること

教育者や親は「性格は固定されたものではなく、環境や体験によって修正できる」と理解しておくことが大切です。


大人の自己成長における意味

大人にとっても、この視点は自己変革の希望を与えます。

  • 自分の繰り返すパターンに気づく
  • その背後にある誤りを見直す
  • 他者との協力や貢献を通じて新しい生き方を選び直す

これらを実践することで、ライフスタイルはより健全な方向へと変化していくのです。


まとめ

アドラー心理学によれば、ライフスタイル(性格)は幼少期に形成され、基本的には変えにくいものです。
しかし、自分の誤りを理解し、共同体感覚を持って生きるとき、人はライフスタイルを修正し、より良い方向に変わることができます。

性格は運命ではなく、選び直すことができる。
その可能性を信じて行動することこそ、アドラー心理学が私たちに示す希望なのです。

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ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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