『瞬時に「言語化できる人」が、うまくいく。』レビュー|A4一枚で磨ける言語化トレーニング
なぜ「言語化力」が必要なのか
「会議でうまく意見を言えない」「企画書を書くときに言葉が出てこない」――そんな経験はありませんか?
その原因は、決して語彙力の不足ではなく、「頭の中のモヤモヤを言葉にできていないこと」にあります。
コピーライターである著者・荒木俊哉さんは、世界的な広告賞を受賞する実績を持つ一方、かつては「言葉が出てこない」時期を経験しました。その壁を乗り越えたのが、本書で紹介される「言語化力トレーニング」です。
言語化とは「モヤモヤを言葉にする力」
本書の定義によれば、言語化力とは「モヤモヤした感覚や考えを言葉に変える力」。
多くの人は「どう言うか(伝え方)」にばかり注目しますが、本当に重要なのは「何を言うか(内容)」です。
ビジネスの場で評価されるのは、表現のうまさではなく、「新しい視点や気づきをもたらす言葉」です。つまり、言語化力はキャリアを左右する必須スキルといえます。
言語化できない原因
著者は、言語化できない理由を2つ挙げています。
- 自分が感じていることに気づいていない
- 気づいたことを無意識に放置している
例えば、日常で「若者とビール」に関する場面を見ていても、それを「なぜ?」と捉え直さなければ意見に変わりません。言語化力を高めるには、こうした無意識を意識下に引き上げる習慣が必要です。
言語化力を鍛えるトレーニング方法
本書の核となるのが、A4用紙を使ったトレーニング。手順はとてもシンプルです。
- A4用紙とペンを用意する(気軽に書ける環境が大切)
- 紙の上部に「問い」を一つ書く
- 用紙を上下に分けて「思考」と「理由」に記入
- 思いついたことをどんどん書き出す
- 「それってどういうこと?」と自分に問いかけて深掘りする
- 理由も掘り下げていく
1回の制限時間は2分。これを1日3枚続けるだけで、年間1000以上の「自分の考え」が言語化され、ストックされていきます。
習慣化で「瞬時に言語化できる人」に
言語化力は一朝一夕で身につくものではありません。しかし、日々の小さな積み重ねが大きな変化を生みます。
- 「できごと」と「感じたこと」をセットで振り返る
- 感情の揺らぎに敏感になる
- 「なんで?」という問いを持ち続ける
これらを意識することで、自分にしか語れない言葉が出てきます。会議やプレゼンでも即座に発言できるようになり、「仕事ができる人」という印象を自然に築けるのです。
本書の魅力
『瞬時に「言語化できる人」が、うまくいく。』の特長は、ただ理論を説くだけでなく、 誰でも実践できるトレーニング法が用意されている点 です。
巻末には500もの「問い」が収録されており、毎日続けやすい工夫がされています。さらに、会議・プレゼン・企画書作成など実際のビジネスシーンで使えるサンプルトレーニングも豊富。
「言いたいことを言葉にできない」という悩みを抱えるすべての人に役立つ内容となっています。
まとめ
- 言語化力とは「モヤモヤを言葉にする力」
- 仕事の評価は「どう言うか」より「何を言うか」で決まる
- A4一枚・1日2分でできるトレーニングが効果的
- 習慣化すれば「瞬時に言語化できる人」になれる
言語化力を磨くことは、キャリアを飛躍させる最大の武器になります。自分の考えを言葉にし、相手に伝わる形に整える力を手に入れたい方に、強くおすすめできる一冊です。
