「共同体感覚」とは?アドラー心理学の核心をわかりやすく解説|人生を前向きにする生き方の土台
まず「共同体感覚」を理解しよう
アドラー心理学を学ぶ上で、最も重要なキーワードが**「共同体感覚(Community Feeling)」**です。
これは、アドラーが人生の幸福や心理的健康を語るときに、何よりも重視した考え方です。
共同体感覚とは簡単に言えば、
「自分はこの世界の一部であり、誰かの役に立てる存在である」
という感覚のこと。
この感覚を持てる人は、他者と自分を敵対的に見ず、「共に生きる仲間」として関わることができます。
そしてその結果、自分の人生を前向きに、勇気を持って歩んでいけるようになるのです。
自分の居場所を感じることが、勇気を生む
アドラーは、人が不安や劣等感を感じる根底には「自分の居場所がない」と思う気持ちがあると指摘しました。
たとえば、仕事で評価されないときや、人間関係がうまくいかないときに、「自分なんて必要ない」と感じることがあります。
しかし、もし「自分には貢献できる場所がある」「自分はこの世界の一員だ」と心から感じられたらどうでしょうか。
他人と比較して落ち込むことも減り、困難に立ち向かう勇気が湧いてきます。
この「勇気」こそが、アドラー心理学でいう“健全な自己肯定感”の土台です。
困難を恐れない人の共通点
共同体感覚を持つ人は、人生の困難を避けようとしません。
それは、困難があっても「自分には乗り越える力がある」と信じているからです。
このような人たちは、問題が起きても「なぜ自分だけが」と嘆くのではなく、「これをどう乗り越えようか」と考えます。
つまり、困難を「成長のチャンス」として受け止めることができるのです。
そして、そんな人の周りには自然と信頼が生まれ、人とのつながりが深まっていきます。
この「人とのつながり」を大切にできることこそ、まさに共同体感覚が育っている証拠といえるでしょう。
共同体感覚を育てる3つのステップ
1. 「他者を仲間と見る」意識を持つ
他人を競争相手ではなく「仲間」として見ることが、共同体感覚の第一歩です。
職場でも家庭でも、「自分と同じように悩み、努力している人たちだ」と考えることで、共感や思いやりが生まれます。
2. 「ありがとう」を言葉にする
人とのつながりを感じるには、感謝を伝えることが効果的です。
「ありがとう」「助かったよ」という一言が、相手との関係を温め、自分自身の心にも安心感を与えます。
3. 「自分も誰かの役に立っている」と実感する
日々の中で、「自分ができた小さな貢献」を意識的に振り返る習慣を持ちましょう。
掃除をした、同僚を手伝った、笑顔で挨拶した——どんな小さなことでも構いません。
自分が“誰かのために何かできた”という感覚が、共同体感覚を強く育てます。
まとめ:人はつながりの中で強くなる
アドラー心理学の核である「共同体感覚」は、単なる心理学用語ではありません。
それは、人生をより前向きに、勇気を持って生きるための心の基盤です。
「自分はこの世界の一部であり、誰かに必要とされている」
——そう感じられたとき、人は自然と前に進む力を得ます。
困難を恐れず、人とのつながりを信じて生きる。
それが、アドラーが伝えた「幸せに生きるための道」なのです。
