💹 お金はお金を生む——ベンジャミン・フランクリンに学ぶ「お金の育て方」
■ 「お金はお金を生む」という原理を忘れるな
ベンジャミン・フランクリンは『若き職人への助言(Advice to a Young Tradesman)』の中で、次のように述べています。
「お金はお金を生み、その子孫はさらにお金を生む。
5シリングは6シリングになり、さらに7シリング3ペンスに増える。
もしお金を殺せば、未来に生まれるはずの多くの利益を殺すことになる。」
この一節は、**「複利の力」**を直感的に表したものです。
フランクリンが生きた18世紀にも、すでに「お金を増やす原理」は確立されていたのです。
■ お金は“使うもの”ではなく“働かせるもの”
多くの人は「お金=使うもの」と考えがちです。
しかしフランクリンは、お金を“働かせるもの”として捉えていました。
たとえば、5シリングをそのまま使ってしまえばそれで終わり。
けれども、その5シリングを誰かに貸したり、商売に回したりすれば、利子や利益を生む可能性がある。
つまり、お金は正しく扱えば、自分の代わりに働く“従業員”になるのです。
フランクリンが言う「親ブタを殺すな」とは、種銭(しゅせん)を軽く使うなという警告なのです。
■ 「複利」は最大の発明である
のちに物理学者のアインシュタインも、「複利は人類最大の発明だ」と語ったと伝えられています。
複利とは、元本だけでなく利子にも利子がつく仕組みのこと。
たとえば、100万円を年5%で運用した場合、
- 1年後:105万円
- 10年後:約163万円
- 30年後:約432万円
になります。
時間を味方につけることで、元手が何倍にも増えていくのが複利の魔法です。
フランクリンの時代には「銀行」も「株式市場」も今ほど整っていませんでした。
それでも彼は、商人として日々の取引を通じて、複利の力を体感していたのです。
■ 「今すぐ使う快楽」より「育てる喜び」を選ぶ
フランクリンの教えは、単なるお金儲けの話ではありません。
彼が本当に伝えたかったのは、**「短期的な欲望を抑えて、未来に種をまく生き方」**です。
もしあなたが給料をすべて消費に使ってしまえば、そこには何も残りません。
しかし、その一部を学びや資産に回せば、それは「次のお金」を生むタネになります。
- 本を買う → 知識が増え、収入が上がる
- スキルを磨く → 仕事の幅が広がる
- 投資を始める → 時間とともに資産が増える
つまり「お金を生むのは、お金そのもの」だけでなく、お金をどう使うかという意識なのです。
■ “親ブタ”を育てるという発想
フランクリンの比喩に出てくる「親ブタ」は非常に示唆的です。
彼はこう言いました。
「子を産む親ブタを殺す者は、何千ものブタを殺すのと同じだ。」
つまり、元手(種銭)を浪費することは、未来のチャンスを殺すことだということ。
もし手元に少しでも余裕資金があるなら、それを「消費」ではなく「投資」に変える意識が大切です。
これは、投資だけでなく自己成長にも同じことが言えます。
知識・経験・人間関係といった「見えない資産」も、時間をかけて育てることで大きなリターンを生みます。
■ まとめ:「お金を育てる」生き方を選ぼう
ベンジャミン・フランクリンの「お金はお金を生む」という教えは、
単なる金銭の話ではなく、人生を豊かにする哲学でもあります。
お金を使うたびに、
「これは親ブタを殺しているのか? それとも育てているのか?」
と自問してみてください。
小さな投資も、誠実な努力も、やがては大きな果実を実らせます。
そしてそれこそが、フランクリンが残した“お金の真理”なのです。
