☀️ 「幸福になるのも不幸になるのも心のもち方次第」──フランクリンが語る“幸せの作り方”
■ 「同じ境遇でも、幸福な人と不幸な人がいる」
フランクリンは、74歳という晩年にこう書き始めます。
「世の中には、2種類の人がいる。
健康や富、その他人生の楽しみにかんして恵まれている点はおなじなのに、
一方はしあわせに、他方はみじめになっている。」
つまり、幸福は“状況”ではなく“解釈”の問題だということ。
同じ出来事でも、楽観的に見る人は幸福を感じ、悲観的に見る人は不幸を感じる。
フランクリンは、人間の幸福を左右するのは「事実」ではなく、
**“心の向ける先”**であると喝破しています。
■ 「幸福な人は、いい面に目を向ける」
フランクリンは、幸福な人の特徴を具体的にこう描きます。
「幸福になる人は、ものごとにかんしては都合のいい面、
会話のたのしい部分、おいしい料理にワイン、いい天気などに目を向けては、
そういったすべてを陽気に楽しむ。」
つまり、幸福な人とは、“感謝の目”を持つ人のことです。
- 仕事の合間に飲む一杯のコーヒー
- 誰かと交わした小さな会話
- 朝の光や心地よい風
こうした“当たり前”の中に喜びを見いだせる人は、
特別な富や地位がなくても、いつでも幸福でいられる。
心理学的にも、フランクリンの指摘は現代の「ポジティブ心理学」に通じます。
幸福は外的要因ではなく、意識の焦点をどこに当てるかで決まるのです。
■ 「不幸な人は、悪い面ばかりに目を向ける」
一方で、フランクリンは“不幸な人”の特徴をこう述べます。
「不幸になる人は、考えること、しゃべること、そのすべてが正反対だ。
だから、そんな人たちは、いつも不機嫌で、社交の楽しみにはけちをつけ、
多くの人を個人攻撃するので、どこに行ってもいやがられる。」
不幸な人は、欠けているもの・気に入らないことばかりを探します。
そしてその「不満の癖」が、やがて“生き方そのもの”を不幸に染めていく。
フランクリンはこの心理を、「悪い天気に文句を言う人」にたとえることもあります。
天気を変えることはできません。
できるのは、傘をさして楽しむ心を持つことだけなのです。
■ 「心の癖は、意識すれば治る」
しかし、フランクリンは決して悲観的ではありません。
「だが、そんな癖が習性になってしまっている人も、
自分の癖のせいで自分が不幸になっていることを自覚すれば、治療は可能だというべきだろう。」
これは、“幸福はトレーニングできる”という考え方です。
実際、現代の心理学でも「感謝日記」「ポジティブ・フォーカス」など、
思考の習慣を変えることで幸福度が上がることが証明されています。
つまり、フランクリンが言う「治療」とは、
自分の思考のパターンに気づき、修正する努力のこと。
幸福になる力は、誰の中にも備わっているのです。
■ 「幸福は、選択の結果である」
フランクリンが晩年にこの文章を書いたのは、
政治・科学・発明・外交など、あらゆる成功を手にしたあとでした。
それでも彼は、幸福の本質を“外の成果”ではなく“内の心”に求めたのです。
彼の人生哲学を一言で表すなら、こうでしょう。
「幸福とは、与えられるものではなく、選び取るもの。」
- 不満を選ぶか、感謝を選ぶか。
- 嘆くか、笑うか。
- 過去に執着するか、いまを味わうか。
選択の積み重ねが、人生の“幸福度”を決めます。
■ 現代に生かす「幸福のリフレーミング」3原則
フランクリンの教えを現代の生活に落とし込むなら、次の3つが鍵です。
- 「欠けているもの」ではなく「あるもの」を数える
足りないものを探すより、すでにある幸せを見つけよう。 - 不平を言う前に、ひと呼吸おく
文句を言いそうになったら、「でも、よかったことは?」と自問してみる。 - 幸福は“気分”ではなく“態度”である
環境が変わらなくても、心の向け方を変えれば人生は変わる。
■ まとめ:「幸せは、心の使い方の習慣である」
ベンジャミン・フランクリンの言葉
「幸福になるのも不幸になるのも心のもち方次第。」
この一文は、彼の長い人生の結論でもあります。
- 幸福とは、運でも財産でもない。
- 幸福とは、ものごとをどう見るかという“技術”である。
- 心を整える人は、どんな時代でもしあわせに生きられる。
フランクリンの言葉を現代風に言えば、
「幸せは、探すものではなく、気づくもの。」
人生の明暗を分けるのは、状況ではなく心の選択。
今日から「陽のあたるほう」へ、あなたの心を少しだけ向けてみましょう。
それだけで、世界の色が変わります。
