『週末ひとり時間』に学ぶ|たった10分で心を整える“自分リセット習慣”のつくり方
『週末ひとり時間』──自分を整える“10分の余白”が、人生を変える
「せっかくの休日なのに、スマホを見て終わってしまう」
「人との予定に追われて、心が休まらない」
そんな“休んでいるのに疲れる”感覚を覚えたことはありませんか?
時間管理の専門家であり、“朝活の第一人者”として知られる池田千恵さんの新著『週末ひとり時間』(三笠書房)は、そんな現代人に向けて「自分を取り戻す時間術」を提案しています。
池田さんは言います。
「一日まるごと『ひとり時間』を取る必要はありません。
10分、15分でも“自分が心地いいこと”を選びとっていけばいいのです。」
本書が教えてくれるのは、**“ひとりで過ごす時間を、自分を整えるためのメンテナンス時間に変える”**方法。
特別なことをしなくても、ノートとペンさえあれば、心は驚くほど軽くなります。
1. 頭の中の“モヤ様”を書き出すだけで、脳がスッキリする
まず紹介したいのは、「モヤ様ノート」。
「モヤ様」とは、“なんとなく気になっているのに片づいていないこと”。
たとえば、
- 気まずい会話の後に「言い返せばよかった」と後悔している
- 期限が迫っている仕事がある
- 見たかった映画がまだ見られていない
こうした“小さな未完了”が、日々の集中力を奪います。
池田さんは、週末にノートを開いてこれらを書き出すことをすすめます。
ポイントは、PCやスマホを使わないこと。
紙に書くことで、余計な情報に気を取られず、“思考の整理”に集中できます。
書き出したリストは、「週末モヤ様リスト」として保存。
完了したものには赤線を引き、週の終わりに眺めてみましょう。
モヤモヤが“見える化”されるだけで、脳のストレスが大幅に軽減します。
2. 「色分けノート」で優先順位が一目でわかる
書き出すだけでなく、池田さんは“色で整理する”方法も提案しています。
これは、仕事・家庭・人間関係・自分時間をバランスよく整えるためのツール。
4色ボールペンやマーカーを使って、次のように色分けします。
- 💚 緑=収穫(仕事・成果につながること)
- ❤️ 赤=種まき(人間関係・新しい挑戦)
- 💙 青=間引き(生活を整えること)
- ⚫ 黒=塩漬け(やむを得ずやっていること)
書き終えたページを見れば、
「今週は黒が多いな」「赤が足りないな」など、心のバランスがひと目で分かります。
視覚的に整理されることで、“本当に大切なこと”にエネルギーを注げるようになります。
3. 「週末スッキリリスト」で、やるべきことを“整理ではなく選択”する
著者は毎週月曜の朝、「週末スッキリリスト」を書く習慣を続けています。
内容はとてもシンプル。
- 今、連絡したい人
- 進めたいプロジェクト
- 将来やりたいこと
- 読みたい本・資料
これを週末の“ひとり時間”に見直し、
「今週はここまでできればOK」と目標を小さく絞るのです。
この“選択の習慣”こそ、時間に追われない生き方の第一歩。
やることを減らすのではなく、「やるべきこと」を選び取る──それが“自分を整える時間術”です。
4. 「スキマ時間」を円グラフで“見える化”する
「時間がない」と感じる人ほど、実は“自由時間の全体像”を把握していません。
池田さんは、1日の時間を円グラフにして可視化することをすすめています。
起床から就寝までを24時間に分け、仕事・家事・睡眠・通勤などを書き込み、
「どこにスキマがあるか」を見つけるのです。
グラフにしてみると、
「意外とスマホに2時間も使っていた」
「夕食後の30分は自由時間にできる」
といった“現実”が見えてきます。
時間を“見える化”することは、自分の生活をコントロールする第一歩です。
5. 「仕組み化」「見える化」「ごほうび」で習慣を定着させる
忙しい人ほど、「ひとり時間をつくろう!」と意気込んでも続きません。
そこで大事なのが、以下の3ステップ。
- 仕組み化:行動を起こさざるを得ない環境をつくる(例:ジムに通う)
- 見える化:行動を記録する(例:走った距離を手帳に書く)
- ごほうび:達成した自分に小さな喜びを与える
このサイクルを回すことで、無理なく「自分時間」を習慣化できます。
努力ではなく仕組みで続ける──池田流の時間術の真髄です。
6. 「ひとり時間リスト」で“やりたいこと”を取り戻す
週末に急に時間ができても、
「何をすればいいかわからない」と戸惑う人は多いはず。
そんなときに役立つのが、「ひとり時間ができたらやりたいリスト」。
平日のちょっとした瞬間に、
「これいいな」「やってみたい」と思ったことをスマホにメモ。
それを週末に眺め、10分・30分・1時間コースに分類しておくのです。
リストがあるだけで、
“なんとなくスマホを見る時間”が、“自分を満たす時間”に変わります。
7. 「妄想」をスケジュールに変える
池田さんが特に推奨するのが、週末朝の“妄想タイム”。
これは、単なる空想ではなく、“少し頑張れば実現できる未来”を想像する時間です。
ポイントは、「妄想をスケジュールに落とし込む」こと。
「いつ」「どこで」「誰と」それを実現したいか?
具体的に書き出すことで、夢が行動計画に変わる。」
著者自身も、新聞連載のオファーを“妄想”して構成案を書いたところ、
後日、実際にオファーが舞い込み、夢が現実になったといいます。
妄想は、偶然のチャンスを掴む“心の準備運動”なのです。
まとめ|週末の10分が、人生のリズムを整える
『週末ひとり時間』は、「頑張るための時間術」ではありません。
むしろ、“頑張らないための時間術”。
週末の10分を、自分と向き合うために使うだけで、
頭の中が整理され、気持ちが落ち着き、月曜の朝が軽くなる。
池田千恵さんが伝えたいのは、
「ひとり時間は、孤独ではなく“自分を取り戻す習慣”」
ということ。
仕事も家庭も頑張るあなたにこそ、
“週末ひとり時間”を贅沢に味わってほしい一冊です。
