自己啓発

「ないなら自分でつくる」──フランクリンが教える“行動する知性”の力

taka

「ないものを嘆くな。ないなら自分でつくればいい。」
この言葉こそ、ベンジャミン・フランクリンの生き方を象徴しています。

18世紀のアメリカ。ペンシルヴァニアで印刷業を営んでいた頃、
ボストンより南には、まともな本屋がほとんど存在しませんでした。
人々が本を読みたいと思っても、イギリスから取り寄せるしかない。
知的な交流を求める人々にとっては、非常に不便な環境だったのです。

しかし、フランクリンはこの“不便”を嘆くことなく、行動に変えました。


■「ないからこそ、つくる」という発想

当時、フランクリンが仲間と作っていたディスカッション・クラブ「ジャントー・クラブ」には、
勉強熱心で知識を求める人たちが集まっていました。

とはいえ、メンバーそれぞれが持つ本の数はごくわずか。
議論の際に参考にできる資料が少ないため、いつも知識の限界にぶつかっていたのです。

そこでフランクリンは提案します。

「みんなが持っている本を持ち寄って、一つのライブラリーをつくろう。」

これは単なる思いつきではなく、共有の仕組みという発明でした。
個人が持つ小さな資源を集めれば、全員が恩恵を受けられる。
それは、後に「世界初の公共図書館」へと発展していくアイデアの原型でした。


■環境を変えたければ、“行動する人”になれ

フランクリンの行動の根底には、**「自分の手で環境を良くする」**という信念がありました。
誰かが整えてくれるのを待つのではなく、自ら動いて仕組みを作る。

現代社会でも同じです。
たとえば、

  • 職場に学びの機会がないなら、自分で勉強会を開く
  • 欲しいサービスがないなら、自分でプロジェクトを立ち上げる
  • コミュニティがなければ、自分で作る

このような“自発的な行動”こそ、個人の成長を加速させ、やがて社会を変える原動力になります。

フランクリンはまさにその実践者でした。
彼の「ジャントー・クラブの図書プロジェクト」は、やがてフィラデルフィア全体へと広がり、
公共図書館制度の礎を築くことになります。


■仲間を巻き込み、“共に作る”力

もう一つ注目すべきは、フランクリンの**「仲間を巻き込む力」**です。
彼は、自分一人で本を買い集めるのではなく、仲間全員を巻き込んで仕組みを作りました。

「みんなの本を集めれば、みんなが得をする。」
という共通利益の考え方を示し、共感を呼んだのです。

この姿勢は、現代のリーダーシップにも通じます。
優れたリーダーは、“指示する人”ではなく、“共に動く人”です。
フランクリンは、周囲の人を尊重しながら、みんなが自分ごととして参加できる環境を整えました。
結果として、クラブの活動はより活発になり、学びと交流の文化が生まれたのです。


■「ないならつくる」が人生を切り開く

フランクリンの生き方は、現代を生きる私たちに大きなヒントを与えてくれます。
環境のせいにせず、チャンスがなければ作る。
知識がなければ学ぶ。
仲間がいなければ、呼びかけて集める。

不便や不足は、可能性の裏返しです。
“ない”という現実をきっかけに、“あるべき姿”を形にする。
それが、あらゆる創造やイノベーションの原点です。


■まとめ:行動する知性が未来をつくる

フランクリンは、知識や環境に恵まれていない時代でも、
**「自分の手で知の場を作る」**という革命的な行動を起こしました。

それは単なる勉強熱心さではなく、

「知識を共有することで、社会全体を豊かにする」
という信念に基づいたものです。

現代の私たちも、彼のように“行動する知性”を持つことが求められています。
ないものを嘆くより、自分でつくる。
それが、どんな時代にも通じる、成長と変革の第一歩なのです。

スポンサーリンク
ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
スポンサーリンク
記事URLをコピーしました