自己啓発

サブスクリプションの原点はここにあった:フランクリンが生み出した「会員制図書館」モデル

taka

現代では、音楽も映画も本も「サブスクリプション」で楽しむ時代。
しかし、この仕組みの原型を18世紀にすでに生み出していた人物がいます。
それが、アメリカ建国の父・ベンジャミン・フランクリンです。

彼が設立した「会員制図書館」は、単なる知識共有の場ではなく、
サブスク型コミュニティの先駆けでした。


■「知識の共有」を仕組みに変えた発想

前章で紹介したように、フランクリンは仲間たちと「ジャントー・クラブ」という読書会を運営していました。
その活動を続けるうちに、「本を共有できる仕組み」を思いつきます。

しかし、個人の持ち寄りでは限界があります。
より多くの本を安定的に入手するためには、資金とルールが必要でした。

そこでフランクリンは、画期的な提案をします。

「読書家が少ないこの町でも、みんなで少しずつ出し合えば、大きな図書館が作れるはずだ。」

この発想が、後に「サブスクリプション型の会員制図書館」という公共事業の第一歩となったのです。


■「少額の会費で大きな知を得る」──持続可能な仕組み

フランクリンは自ら提案書を作成し、契約書はフィラデルフィアの公証人に依頼して法的に整えました。
こうして、明確なルールに基づく会員制組織が誕生します。

  • 入会金:40シリング
  • 年会費:10シリング
  • 会員数:当初50名(後に100名へ拡大)

フランクリンは図書館が50年続くと仮定し、最初は小さな負担で参加できる金額に設定しました。
つまり、「手の届く範囲の負担で、みんなが恩恵を受けられる」というサブスクリプション思想の原型です。

さらに貸出制度も整備。
週に1度、本を借りられ、返却が遅れた場合は「本の価格の2倍を支払う」というルールを導入しました。
ルールが明確だったため、運営は秩序を保ち、参加者の信頼を得ていきました。


■“個人のアイデア”を“社会の仕組み”に変える力

フランクリンの偉大さは、アイデアを現実にする実行力にあります。
彼の周囲には、最初は「本を共有するなんてうまくいくはずがない」と懐疑的な声もありました。

しかし、彼は粘り強く仲間を説得し、最初の50人の会員を確保。
プロジェクトは順調に拡大し、最終的に正式な認可を受ける公共図書館となりました。

このモデルはその後、北米中に広まり、

「すべての人が知識にアクセスできる社会」
という理念の出発点になったのです。

つまり、フランクリンの図書館は「知識の民主化」の第一歩でした。


■“共に支える”ことが継続の鍵

この図書館の成功の理由は、単に本が集まったからではありません。
会員それぞれが**「知を共有する一員」**という意識を持っていたことにあります。

現代のサブスクサービスも同じです。
SpotifyやNetflixのようなプラットフォームも、利用者が料金を出し合うことで、
新しいコンテンツが生まれ、循環が続いていく。

フランクリンが作った図書館も、
“支え合う参加型モデル”として、経済的にも文化的にも持続可能な形を実現していました。


■まとめ:仕組みをつくる人が、未来をつくる

フランクリンの「会員制図書館」は、
一人の思いつきが社会を変えた象徴的なプロジェクトです。

  • ないものは、自分たちでつくる
  • 小さな出資で、大きな価値を共有する
  • 信頼とルールで、長く続く仕組みをつくる

これらの原則は、現代のサブスクリプション経済や、クラウドファンディングの思想にも通じます。

フランクリンは、公共の利益と個人の利便を両立させる**「共創の哲学」**を、
約300年前にすでに実践していたのです。

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ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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