「忍耐強くなれ」——焦らず待てる人が、結局うまくいく

聖書のコヘレトの言葉（伝道の書）7章8節には、このような言葉があります。

「事の終わりはその初めにまさり、忍耐はうぬぼれにまさる。」

短い一節ですが、この言葉には人生の深い真理が込められています。
それは、「物事は始まりではなく、終わりで判断せよ」ということ。
そして、「焦らず、粘り強く進む人が最終的に勝つ」というメッセージです。

始まりが悪くても、終わりが良いことはある

私たちは何かを始めるとき、その第一印象や初期の成果で「うまくいきそう」「ダメかもしれない」と判断しがちです。
しかし、コヘレトの言葉はその考え方をたしなめます。

人生でも仕事でも、本当の価値は“最後”にしかわからない。

たとえば、

• 最初は失敗ばかりだったプロジェクトが、長い努力の末に成功する
• 当初は誤解されていた人が、後に信頼される存在になる
• 苦しい経験が、のちに大きな学びや出会いにつながる

このような例は、誰の人生にもあるはずです。
だからこそ、「今の状況だけ」で善し悪しを決めてはいけないのです。

忍耐は「動かないこと」ではなく、「信じて続けること」

忍耐というと、「じっと我慢する」イメージを持つ人が多いかもしれません。
しかし、聖書が語る忍耐とは、「信じて動き続ける力」です。

焦りや不安に押されて行動を止めてしまうのではなく、
結果が出なくても、意味を信じて一歩一歩前に進むこと。

それが「忍耐」です。

コヘレトの言葉が言うように、うぬぼれ——つまり「自分ならできる」「もう大丈夫だ」と油断することは危険です。
成功したように見えても、物事の結末はまだ決まっていません。
最後まで気を抜かず、粘り強く歩む人こそが、最終的に勝者となるのです。

焦る人は、途中で判断を誤る

「事の終わりはその初めに勝る」とは、同時に「焦るな」という警告でもあります。
焦る人は、物事を「途中」で評価し、誤った結論を出してしまうからです。

例えば、

• ダイエットを始めて数週間で結果が出ずにやめてしまう
• 新しい仕事で成果が見えず、「向いていない」と投げ出す
• 人間関係の一部だけを見て、「この人はダメだ」と決めつける

これらはすべて、“忍耐の欠如”から生まれる失敗です。
どんなことも、結末を見届けるまではわからない。
途中であきらめてしまえば、成長のチャンスも気づきも得られないまま終わってしまいます。

忍耐を育てる３つの習慣

では、どうすれば忍耐強くなれるのでしょうか？
ここでは、日々の生活で実践できる３つの習慣を紹介します。

① 小さなことに「待つ」練習をする

すぐに結果を求める癖をなくすために、日常の中であえて“待つ時間”を作りましょう。
例えば、メールの返信をすぐに送らず、一晩置いてから考える。
レジの行列でも、スマホを見ずに心を静める。
小さな「待つ練習」が、心の余裕を育てます。

② 「長期視点」で物事を見る

1週間、1か月ではなく、「1年後にどうなっていたいか」を考えてみましょう。
長期的な視点を持つことで、今の苦しみや遅れにも意味を見出せるようになります。

③ 成果ではなく「過程」を大切にする

忍耐の本質は、「結果よりも過程を信じること」です。
今日どんな小さな努力を積み上げたか——それが、明日への忍耐を支えます。

忍耐は「賢さ」と「謙虚さ」の証

コヘレトの言葉7章8節には、「忍耐はうぬぼれに勝る」と書かれています。
これは、忍耐こそが人間の成熟を示すという意味です。

うぬぼれた人は、現状の成功に酔いしれ、油断して失敗します。
一方で、忍耐強い人は、成功しても慢心せず、困難の中でも焦らず進みます。
その姿は、静かでありながら、誰よりも強く美しい。

忍耐とは、強さと謙虚さが融合した心の力なのです。

終わりに：焦らず、最後まで見届けよ

コヘレトの言葉7章8節は、私たちにこう教えています。

「事の終わりはその初めに勝り、忍耐はうぬぼれに勝る。」

人生の価値は、スタートではなく「どんな終わりを迎えるか」で決まります。
今うまくいっていなくても、それはまだ途中。
そして、うまくいっているときも、油断せず慎重に歩むこと。

焦らず、腐らず、信じて続ける。
その忍耐が、あなたの人生を最も確かな道へと導いてくれます。

まとめ

• 始まりよりも「終わり」で物事を判断せよ
• 忍耐とは、「信じて続ける力」
• 成功しても油断せず、失敗してもあきらめない

あなたの今日の一歩が、やがて確かな実を結ぶと信じて。
焦らず、忍耐をもって歩み続けてください。

TAKA

理学療法士/ビール

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理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。