「自分の非を認めない人は孤立する」——強情さが人を遠ざける

聖書の箴言16章28節には、こう書かれています。

「よこしまな者は争いを引き起こし、
うわさを広める者は親しい友を離れさせる。」

短い一節ですが、人間関係の真理を鋭く突いています。
それはつまり——
**“自分の非を認めない人は、やがて誰からも信頼されなくなる”**ということ。

人との関係は、誤解や失敗があっても修復できます。
しかし、素直さを失ったとき、人は静かに孤立していくのです。

非を認めない人は、「自分を守ること」に必死になる

人は誰しも間違えます。
しかし、非を認められない人は、そのたびに「自分は悪くない」と言い訳をします。

• 「あの人が先に言ったから」
• 「私は悪くない、誤解されただけ」
• 「そんなつもりじゃなかった」

最初は小さな自己防衛かもしれません。
けれども、それを繰り返しているうちに、
周囲からは「責任を取らない人」「話が通じない人」と見られていきます。

やがて、誰も本音を言わなくなり、
その人のまわりには“沈黙と距離”だけが残るのです。

「非を認める勇気」が信頼を生む

一方で、非を認められる人は強いです。
なぜなら、自分の弱さを受け入れているからです。

「すみません、私が間違っていました」
この一言には、言い訳よりも何倍もの力があります。

人は完璧な人に惹かれるのではなく、
誠実な人に信頼を寄せるのです。

たとえ失敗しても、素直に認めて修正できる人には、
周囲の人も安心してついていけます。
それが、リーダーシップの本質でもあります。

「非を認めない人」が引き起こす３つの悪循環

箴言16章28節が警告するように、
自分の非を認めない人は、やがて争いを招きます。

では、なぜそうなるのでしょうか？
その背景には、次の３つの悪循環があります。

① 言い訳が増えるほど、信頼が減る

言い訳をするたびに、周囲は「この人は責任を取らない」と感じます。
信頼は、説明ではなく誠実な態度から生まれます。

② 人を悪く言うようになる

自分の非を認めない人は、矛先を他人に向けがちです。
「悪いのは相手だ」と周囲を責め始めると、
人間関係はさらに壊れていきます。

③ 最後は、孤立する

非を認めず、他人を責め続ける人のもとからは、
少しずつ人が離れていきます。
やがて「誰も自分を理解してくれない」と嘆くようになりますが、
それは自分が作り出した孤独なのです。

「自分の非を認める人」は成長し続ける

一方で、自分の非を認められる人は、周囲に恵まれます。
なぜなら、彼らは“成長する人”だからです。

失敗を受け入れることは、次の成功の土台になります。
非を認めることで、

• 他人からのアドバイスを受け入れられる
• 改善のチャンスを掴める
• 謙虚さを保ち続けられる

そして何より、誠実な人間関係を築けるのです。

箴言が伝えるのは、まさにこの「素直さの価値」。
誤りを恐れるよりも、それを認める勇気を持ちなさいというメッセージです。

「非を認める力」を育てる３つのステップ

① 「自分の言い訳」を意識する

指摘されたとき、最初に心に浮かぶのは言い訳か感謝か？
その反応が、自分の成長度を示しています。
まずは、言い訳しそうになった瞬間に「待て」と自分に声をかけましょう。

② 「責められた」と思わず、「気づきをもらった」と考える

他人の指摘は攻撃ではなく、鏡です。
そこに自分の課題が映っていることを、冷静に見つめましょう。

③ 「謝る」ことを恐れない

「ごめんなさい」「私が悪かったです」——。
この一言が言える人は、むしろ尊敬されます。
謝ることは弱さではなく、成熟の証です。

終わりに：素直な心が、人をつなぐ

箴言16章28節は、
「よこしまな者は争いを引き起こし、親友をも離れさせる」と語ります。

つまり、素直さを失った人は、やがて孤立するということです。

人間関係の根底にあるのは、完璧さではなく、誠実さです。
自分の非を認めることは恥ではなく、
「もう一度関係を築く」ための第一歩なのです。

まとめ

• 非を認めない人は争いを呼び、信頼を失う
• 素直に謝れる人は、成長と信頼を得る
• 謙虚さこそが、関係をつなぐ力になる

もし今、あなたの心に「言い過ぎた」「誤解を招いたかも」と感じることがあるなら、
どうか一言、素直に謝ってみてください。

その一言が、壊れかけた関係を癒し、
あなたの周りに再び温かい信頼の輪を生み出すはずです。

TAKA

理学療法士/ビール

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理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。