信条の違いで裁き合うことなかれ──違いを恐れず、共に生きるための知恵

人はみな、育った環境も文化も価値観も異なります。
それゆえに、「正しい」と感じる基準にも違いがあります。

宗教や信条の世界でも同じです。
ある人は特定の日を神聖と考え、
その日を守ることに意味を見いだします。
一方で、すべての日を同じように尊いと感じる人もいます。

どちらが正しいのでしょうか？

パウロはローマ人への手紙14章5節で、こう語りました。

「ある日を他の日よりも大切だと考える人もいれば、
どの日も同じだと考える人もいる。
各々が自分の心の確信に従えばよい。」

信仰は「競うもの」ではなく「歩むもの」

パウロのこの言葉は、
信仰を“比べるもの”ではなく、“歩むもの”として捉えています。

私たちはしばしば、自分の信じ方や感じ方を
「正しい」と思い込み、
他人のあり方を「間違い」と見なしてしまいます。

しかし、信仰の本質は「神との関係」であって、
他人との比較ではありません。

誰がより正しいか、ではなく、
それぞれがどれだけ真実に神と歩んでいるか。

それが、本当の信仰の姿なのです。

「違い」を裁く心が、人を遠ざける

私たちは「違い」を恐れる傾向があります。
自分と違う考え方、文化、信仰を見ると、
無意識に距離をとったり、批判したりしてしまう。

でも、神の目にはすべての人が等しく尊い。
もし神が人を裁かないのなら、
なぜ私たちは互いを裁く必要があるのでしょうか。

パウロのメッセージは、
**「違いは争いの種ではなく、理解の扉だ」**ということです。

違うからこそ、学べる。
違うからこそ、補い合える。
違いを超えて共に生きることが、神の望む世界なのです。

各々の「確信」を大切にすること

パウロは、「各々が自分の確信に従えばよい」と言いました。
これは、無責任に“自分勝手に生きよ”という意味ではありません。

ここで言う「確信」とは、
神との関係の中で生まれる、自分なりの信念のこと。

• 「これは自分にとって正しいと思う」
• 「これをすることで神に誠実でありたい」

そうした個々の信仰の歩みを、互いに尊重すること。
それが、健全な信仰共同体の姿です。

人の確信は、その人の経験と祈りの中から生まれたもの。
だからこそ、他人が軽々しく評価することはできないのです。

「裁かない生き方」は、愛の実践

「裁かない」という生き方は、
受け身の態度ではなく、積極的な愛の表現です。

人を裁かない人は、聞く耳を持ちます。
理解しようと努めます。
相手の立場に立って考えます。

それは、まさにキリストが生きた姿そのもの。

愛は、他人の自由を尊重し、
相手の確信に干渉しない。

この“愛の寛容さ”があるところに、
人と人の間に本当の平和が生まれます。

おわりに──「正しさ」よりも「優しさ」を選ぶ

信仰や価値観が異なるのは、神が与えた多様性の証です。
だからこそ、それを理由に裁き合うのではなく、
互いに学び合い、尊重し合うことが大切です。

各々が、自分の確信に従って生きればよい。
そして、その確信を他人に押しつけてはならない。

「正しさ」で人を責めるより、
「優しさ」で人を包むほうが、
神の心にずっと近いのです。

今日から、「違いを認める勇気」を持って歩んでいきましょう。
それが、裁かない生き方の第一歩です。

TAKA

理学療法士/ビール

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理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。