自己啓発

新渡戸稲造『修養』に学ぶ——シンプルに生きる青年であれ

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「シンプルであれ」——新渡戸稲造が語る青年の心

『修養』の中で新渡戸稲造は、青年に向けてこう語りかけます。

「青年はシンプルでなければならない。
私がいうシンプルとは、つねに自然で、性格が明るく、すねたところがなく、まっすぐ伸び伸びとしていることだ。」

ここで新渡戸が説く「シンプル」とは、単なる“質素”や“無欲”ではありません。
それは、心がねじれず、まっすぐで、自然体であることを意味しています。


シンプルさとは「まっすぐに生きること」

現代社会では、情報も価値観も複雑です。
成功の定義が多様化し、SNSや人間関係の中で「どう生きればいいか」迷う若者も少なくありません。

そんな時代にこそ、新渡戸のこの言葉は光を放ちます。

「すねたところがなく、まっすぐ伸び伸びとしていること」

つまり、シンプルとは“他人と比べないこと”でもあります。
他人の成功や評価を気にせず、自分の信じる道を自然体で歩む。
その潔さと明るさこそ、青年の最大の魅力だと新渡戸は語っています。


「小欲」が人を濁らせる

新渡戸は続けて、こう述べています。

「大人に比べると、青年は世の中に求めるところが少ない。名誉とか出世などといった小欲がなく、何事についても心がシンプルなのが青年というものだ。」

ここで言う「小欲」とは、名誉・地位・損得・見栄など、人を縛る細かな欲望のこと。
青年期の純粋さとは、本来そのようなものに左右されない自由さにあります。

しかし、年齢を重ねるにつれ、多くの人がこの“小欲”に心を曇らせてしまう。
新渡戸はそこに危機感を覚え、**「青年よ、シンプルさを失うな」**と警鐘を鳴らしているのです。


シンプルさは「内面の強さ」でもある

「シンプルであること」は、決して弱さではありません。
むしろ、自分を信じ、余計なものに惑わされない内面的な強さを意味します。

何があっても笑顔を失わず、
他人の評価に振り回されず、
自分の信念を素直に貫く。

そうしたシンプルな生き方は、どんな状況にもぶれない軸を与えてくれます。
新渡戸が理想とした青年像とは、まさに「心の透明さ」を保つ人なのです。


現代にこそ求められる「シンプルな精神」

デジタル社会では、常に刺激があふれ、比較や競争の中に生きることが当たり前になっています。
だからこそ、シンプルに生きることは、現代において最も難しく、最も価値のあることと言えるでしょう。

“あれも欲しい、これも足りない”という焦燥の中では、心が疲弊します。
しかし、必要なものを見極め、余計な執着を手放すことで、心に静けさと力が戻ってきます。

シンプルさとは、人生を軽やかにする知恵。
新渡戸稲造の時代から100年以上たった今も、この教えは少しも古びていません。


まとめ:心をシンプルに保つことが、人生を豊かにする

新渡戸稲造の『修養』が伝える「シンプルであれ」という言葉は、
単なる若者への教訓ではなく、すべての世代に向けた人生の指針です。

複雑さに疲れたときこそ、心をシンプルに戻す。
名誉や欲を手放し、自然体で生きる。

それが、真に豊かで自由な生き方です。
新渡戸の言う“シンプルさ”とは、飾らないこと、そして誠実であること。
それは、時代を超えて私たちの心に安らぎと力を与えてくれる生き方なのです。

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ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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