自己啓発

叱られるうちが華──『菜根譚』に学ぶ、成長を導く「厳しさ」の受け止め方

taka

「叱られること」は、実はありがたいこと

『菜根譚(さいこんたん)』には、こんな一節があります。

つまらない人間からは、むしろ嫌われたほうがよい。
彼らにこびへつらわれるより、よっぽどましだ。
人格者からは、むしろ厳しく叱られたほうがよい。
見放されて何も言われなくなるより、よっぽどましだ。

一見すると少し厳しい言葉ですが、実はとても深い意味があります。
「叱られること」は、まだ自分に期待してくれている証。
「嫌われること」も、正直に生きている証。

つまり、叱られるうちは、まだ成長の余地があり、信頼されているということなのです。


嫌われないように生きるより、誠実に生きる

現代社会では、「人に嫌われないように生きる」ことが美徳のように語られがちです。
しかし、菜根譚はそれを真っ向から否定します。

「つまらない人間に好かれるより、嫌われたほうがいい」——
それは、自分の信念を曲げてまで人に合わせるなというメッセージ。

たとえ一時的に孤立しても、誠実さを貫く人には、いずれ本当に信頼できる仲間が集まります。
逆に、誰にでも合わせて自分を偽る人は、最後には誰からも信頼されなくなってしまう。

嫌われる勇気とは、自分を偽らない強さのことなのです。


「叱る人」がいるうちは、まだ救いがある

次に、菜根譚が強調しているのが、「人格者から叱られることの価値」です。

本当にあなたのことを思ってくれている人ほど、厳しい言葉をかけてくれます。
それは、あなたに“まだ伸びる可能性”があると信じているから。

逆に、何も言われなくなったとき——それは見放されたときです。
叱られないのは「完璧だから」ではなく、「もう期待していないから」。

人は誰でも、他人からの批判を避けたいと思います。
しかし、菜根譚はこう教えます。

叱られることを恐れるな。叱られなくなることを恐れよ。

この視点を持てる人は、どんな環境でも成長し続けます。


叱られたときに成長できる人の特徴

叱られることを喜ぶのは簡単ではありません。
しかし、叱られ方には「上手な人」と「下手な人」がいます。

叱られて成長できる人には、こんな特徴があります。

  1. まず感情的に反発しない
     言われた直後は悔しくても、感情ではなく「事実」として受け止める。
  2. 相手の意図を汲み取る
     叱る人の中には、あなたを守るために言葉を選ばない人もいます。
     その奥にある“善意”を感じ取ることが大切です。
  3. 行動で応える
     言い訳をするよりも、「次にどう改善するか」を見せる。
     行動が変われば、相手は「言ってよかった」と感じ、信頼関係が深まります。

叱られることは、あなたの可能性を磨く機会。
受け止め方次第で、叱責は“贈り物”になります。


「叱る人」も、実は勇気を出している

叱る側に立つとわかりますが、誰かを叱るのは簡単なことではありません。
誤解されるリスク、関係が悪くなる恐れ——それでも敢えて言うのは、相手の成長を願っているからです。

『菜根譚』が説く“人格者”とは、まさにそういう人。
相手のために、嫌われる勇気を持って叱る人です。

私たちがもし叱られたら、
「この人は自分を思って言ってくれているのかもしれない」と一歩引いて考えてみる。
それだけで、受け止め方も成長の速度も変わります。


まとめ──叱られることは、成長の証

『菜根譚』の「叱られることを喜ぶ」という教えは、
単なる我慢や従順を勧めているわけではありません。

それは、本音でぶつかってくれる人を大切にせよという人生の知恵です。
自分を甘やかしてくれる人よりも、厳しく叱ってくれる人こそ宝。

また、誰にでも好かれようとするより、信念を貫き、誠実に生きるほうが、
最終的に“本物の信頼”を得られます。

叱られるうちが華。
その言葉を胸に、今日の一言を成長の糧に変えていきましょう。

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ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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