自己啓発

二種類の努力を忘れるな|幸田露伴『努力論』に学ぶ成長の本質

taka

「努力」には二つの種類がある

私たちは日々、「努力しよう」「もっと頑張らなきゃ」と自分を励まします。けれど、幸田露伴の『努力論』を読むと、その「努力」にも実は二つの種類があることに気づかされます。

露伴はこう述べています。

努力というものは、よく見れば二種類ある。一つは「直接の努力」。もう一つは「間接の努力」だ。

この言葉には、現代にも通じる深い意味が込められています。


「直接の努力」とは何か

「直接の努力」とは、目の前の課題に対して全力を尽くすことを指します。
たとえば、仕事で締め切りに間に合わせるために夜遅くまで作業したり、試験勉強で徹夜することなどがそれに当たります。

すぐに結果を求める努力。短期的な目標のために汗を流す努力。
これはもちろん大切なことです。私たちは日々、この「直接の努力」を積み重ねて生きています。

しかし、露伴はこうも警告します。

「直接の努力」ばかりでは、やがて限界がくる。

なぜなら、それはその場しのぎの頑張りでしかないからです。


「間接の努力」こそが土台をつくる

もう一つの努力、それが「間接の努力」です。

これは、将来に備えて行う基礎的な努力
今すぐには成果が見えないけれど、後々の成長や成功を支える“土台”を築くための努力です。

露伴は例として、絵を描く人を挙げています。

デッサンの基礎を学ばず、自己流で描いても傑作は生まれない。

いくら一日中必死に描いても、基礎がなければ作品は伸びない。
つまり、基礎練習・読書・思考・習慣づくりなどの「見えない努力」が、のちの結果を決定づけるのです。

これはビジネスでも同じことが言えます。
毎日の業務をこなす「直接の努力」だけでなく、
・専門スキルを学ぶ
・人間関係を磨く
・健康を整える
といった「間接の努力」が、長期的な成果を支えるのです。


現代人が忘れがちな「間接の努力」

現代は結果をすぐに求められる時代です。
SNSでは「成功した人」ばかりが目立ち、短期間での成果が称賛されがちです。

そのため、つい「目の前の努力=すべて」と思い込みがちですが、
露伴の言葉は私たちに問いかけます。

あなたの努力は、未来を支えるためのものになっているか?

結果に追われる日々の中で、「遠回りの努力」ほど軽視されやすいものはありません。
しかし、本当に成長する人は、見えないところで土を耕しているのです。


二種類の努力をどう両立させるか

では、私たちはどうすればこの二つの努力をバランスよく続けられるでしょうか。

  1. 短期と長期の目標を分けて考える
     「今すぐ成果を出すこと」と「将来の自分を育てること」を区別します。
     たとえば、今日の仕事に集中する一方で、週末には読書や学びの時間を取る。
  2. 時間を“投資”として使う意識を持つ
     見返りのない努力こそが、未来への投資です。
     筋トレのように、すぐには成果が見えなくても、続けるほどに力がつきます。
  3. 「間接の努力」を習慣化する
     短時間でもいいので、毎日少しずつ続けること。
     5分の読書、10分の英語学習、15分のストレッチ。小さな積み重ねが将来を変えます。

まとめ|“見えない努力”があなたを支える

幸田露伴の『努力論』が伝えるのは、
**「努力の方向性を間違えるな」**ということです。

一時的な努力(直接の努力)は、結果を生む原動力。
しかし、それを支える基礎(間接の努力)がなければ、どんな成果も長続きしません。

だからこそ、焦らずに、
今の自分にできる「基礎の努力」を怠らないこと。

今日の地味な努力こそが、明日の大きな成果をつくる。
それが、露伴の時代から変わらない「成長の法則」なのです。

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ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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