自己啓発

「従う」と決めたなら、迷わず委ねよ──幸田露伴『努力論』に学ぶ、真の成長を生む“素直さ”の力

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従うと決めた人の一部分であるかのように

「他人の力を借りて自己を変えたい」と思うなら、まず必要なのは“今までの自分を手放す勇気”です。幸田露伴の『努力論』の一節「従うと決めた人の一部分であるかのように」は、その覚悟を説いています。

露伴は言います。もし自分の考えや習慣を守りたいのなら、他人に頼る必要はない。そのまま一人で努力すればよい。しかし、他者の力を借りて自分を変えようとするなら、相手に素直に従い、自分の考えや利益をいったん捨てなければならない──。

この一節は、現代にも通じる「真の学び方」を教えてくれます。


「自分を変えたい」と言いながら、変わらない人の共通点

多くの人が「成長したい」「変わりたい」と口にします。けれど実際には、変われない人がほとんどです。その理由の一つは、「自分のやり方」にこだわり続けてしまうからです。

アドバイスを受けても、「でも」「だって」と抵抗してしまう。新しいやり方を教わっても、「自分には合わない」と拒んでしまう。これでは、どれほど優れた指導者に出会っても、自分を変えることはできません。

露伴は、「従う」と決めたなら、完全にその人に委ねよ、と教えています。それは盲目的に服従するという意味ではなく、「自分の古い殻を脱ぎ捨てる覚悟を持て」ということなのです。


「他人に従う」ことは「自分を失う」ことではない

多くの人が、「他人に従う=自分を失う」と誤解しています。しかし露伴の言葉はその逆を示しています。

他人の指導に素直に従うことで、これまでの自分の限界を超えることができる。自分の考えをいったん捨てるからこそ、より大きな視野と深い理解が手に入るのです。

まるで“従うと決めた人の一部分”として動くように、その人のやり方を体に染み込ませる。最初は違和感があっても、やがてそれが自分の血肉となり、本当の意味での「自分の成長」へとつながっていきます。

露伴はこの状態を“恥ずかしいことではなく、立派なことだ”と断言しています。自分を変えるために一時的に他人の方法に身を委ねる──それは決して依存ではなく、成熟した学びの姿勢なのです。


指導を受ける人に必要な「素直さ」と「信頼」

もしあなたが職場で上司や先輩に教わる立場なら、あるいは何かを学んでいる最中なら、この言葉を思い出してください。

「従う」と決めたなら、徹底的に従う。
中途半端な従い方は、どちらの成果も得られません。

指導者の意図を理解しきる前に自己流を混ぜてしまうと、せっかくの教えが中途半端になります。学びの過程では、一度“自分の色”を消し、その人の考え方や動きを自分の中に落とし込む方が、結果的に深い理解へとつながります。

このとき大切なのは、「この人に任せてみよう」と心から信頼できる人を選ぶこと。信頼があるからこそ、素直に従うことができるのです。


「従う勇気」が、次のステージを開く

私たちは、自分を守ろうとする本能から、他人に完全に委ねることを怖れます。しかし、変化には「手放すこと」が必ず伴います。

露伴の言葉を現代風に訳すなら、

「本気で変わりたいなら、一度“自分”を脇に置け」
ということです。

新しい考え方、新しい習慣、新しい視点を受け入れるには、古い自分を脱ぎ捨てる必要がある。だからこそ、信頼できる人に従う覚悟を持った瞬間に、成長の扉が開くのです。


まとめ:自分を変えたいなら、まず“委ねる”ことから始めよう

幸田露伴『努力論』の「従うと決めた人の一部分であるかのように」は、
「自己主張よりも、まず素直さを持て」
というメッセージです。

他者に委ねることは、決して弱さではありません。むしろ、自分を成長させたいと願う人にとっての“最も強い選択”なのです。

「自分の考えに固執していないか?」
「信頼できる人に、心から従えているか?」

この2つを問い直すだけで、あなたの学びと成長は大きく変わるでしょう。

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ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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