「順当」と「逆さま」の妙——幸田露伴が語る“型破りの価値”とは?
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セネカの悲劇『テュエステス』には、こんなやりとりがあります。
「タンタロス:最高の力が……
テュエステス:何も望まなければ、どんな力も存在しない」
ここにあるのは、欲望こそが人を支配する力を生むという洞察です。
現代の私たちは、古代の人々よりも選択の余地を持っています。
しかし依然として、欲望によって自分を縛りつけてしまうことがあるのです。
つまり、欲望こそが他人に力を与える原因なのです。
ファッション写真家ビル・カニンガムは、ときに雑誌社に報酬を請求しないことがありました。
その理由を尋ねられたとき、彼はこう答えています。
「いいかい、金を受け取らなければ、何も指図されずにすむんだよ」
欲望(ここでは金銭欲)を手放すことで、彼は自由を守りました。
これはセネカの教えと響き合う生き方です。
セネカが指摘するように、欲望を抱けば必ず「持っている者」の奴隷となります。
逆に、欲望を手放せば力は消え、君は自由でいられるのです。
欲望が君を縛り、他人に力を与える。
それを断ち切る唯一の方法は、欲望を少なくすることです。
セネカとカニンガムの言葉を胸に刻もう。
「欲望を持たなければ、どんな力も存在しない」。