迷う時間を減らし、行動を増やす──ゲイレン・リッチフィールド流「決断と実行の4ステップ」

「悩むより動け」──心配の9割を消す方法

デール・カーネギーは『道は開ける』の中で、実業家 ゲイレン・リッチフィールド氏 の言葉を紹介しています。
彼はこう断言します。

「心配事の九割は、次の四つのステップで克服できる。」

そのステップとは──

1️⃣ 心配していることを正確に書きとめる
2️⃣ それについて自分ができることを書く
3️⃣ 自分が何をすべきかを決定する
4️⃣ その決定をもとにすぐに行動を起こす

シンプルですが、この方法こそが「悩み」を「行動」に変える最短の道なのです。

ステップ1：心配していることを正確に書きとめる

まず、頭の中の“もやもや”を紙に書き出します。
人は、言葉にできない不安に一番苦しむものです。

たとえば──

• 「プロジェクトがうまくいかない気がする」
  という漠然とした不安を、
• 「納期に間に合わない可能性がある」
  と具体的に書き出すだけで、問題の輪郭が明確になります。

書くことで、心配は“敵の姿”を持つ。
見えない不安を“見える形”にすることが、冷静な判断の第一歩です。

ステップ2：それについて自分ができることを書く

次に、「自分にできること」をリストアップします。
不安の多くは、「何もできない」と思い込む無力感から生まれます。

でも、実際に書いてみると、

• 期限を調整する
• 同僚に相談する
• 代替案を準備する
  など、小さな打開策はいくつも見えてくるはずです。

書き出す作業は、脳の「問題解決モード」を自然にオンにします。

ステップ3：自分が何をすべきかを決定する

ここで大事なのは、“考え続ける”ことではなく、“決める”ことです。
多くの人は、「もう少し考えよう」と言って、決断を先送りにしてしまいます。

しかし、リッチフィールド氏は言います。

「分析ばかりで行動しないのは、エネルギーの浪費にすぎない。」

完璧な答えを探すより、今できる最善策を選ぶことが重要です。
決断とは、迷いを断ち切ること。
選んだ瞬間に、心の中に明るい道が見えてきます。

ステップ4：決めたことを“すぐに”行動に移す

最後のステップが、最も重要です。
考えても、決めても、行動しなければ何も変わりません。

実際、心理学の研究でも「考えるだけで安心する」“思考満足”が、行動を妨げることが分かっています。

だからこそ、リッチフィールド氏は「すぐに動け」と言うのです。
一歩踏み出した瞬間、心配事は現実的な“課題”に変わり、解決の道が見えてきます。

なぜこの方法は効果的なのか？

この4ステップは、単に問題解決の手順ではなく、思考と感情の整理術でもあります。

つまり、心配を「放置する」のではなく、「構造的に処理する」ことで、
理性が感情を上回る状態をつくるのです。

行動しない心配は、時間の浪費である

デール・カーネギーはこの章で、こう締めくくっています。

「とにかく何かをすることが大切である。
行動を起こさないかぎり、いくら分析しても意味がない。」

悩みを抱えたまま一日を終えるより、
小さな行動を一つ起こした方が、ずっと心は軽くなります。

「完璧なタイミングを待つ」のではなく、
今この瞬間からできることを始める。
それが、どんな困難にも強くなる最良の方法です。

まとめ──決断と行動が、人生を動かす

ゲイレン・リッチフィールド氏の4ステップは、
「心配に振り回されず、冷静に行動する」ためのシンプルな思考法です。

1. 心配を紙に書く
2. 自分にできることを整理する
3. 何をすべきか決める
4. すぐに行動する

たとえ問題が解決していなくても、行動を起こした瞬間に「心配」は薄れます。
決断し、行動すること──それが、人生を前に進める唯一の力です。

TAKA

理学療法士/ビール

YouTubeContact

理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。