「勤め人は自分の主人ではない」──アンドリュー・カーネギーが語る“真の自由”と働き方の本質

給料のために働く人生は「他人の指図を受ける人生」

アンドリュー・カーネギーは『自伝』の中で、鉄道会社勤務から独立を決意した理由をこう語っています。

「その後、給料のために働いたことは、ただの一度もない。他人の指図にしたがっている限り、狭い世界で生きているに過ぎないのである。」

彼にとって「雇われる」ということは、たとえ地位が高くても**“自由を失っている状態”**でした。
どんなに有能な社員であっても、最終的な決定権を持つのは経営者や株主。
つまり、他人の意志に従う限り、真の意味で自分の人生をコントロールしているとは言えないのです。

「社長」でも本当の主人ではない

カーネギーは、勤め人の限界をさらに厳しく指摘します。

「たとえ大企業の社長になったところで、株式をコントロールしないかぎり、自分自身の主人ではまったくない。」

これは現代にも通じる鋭い指摘です。
どれほど高給を得ていても、どんなに肩書きが立派でも、**「自分の意思で働く自由」**がなければ本当の意味での成功ではない。

取締役会や株主の意向に縛られる社長と、自らリスクを取りながら自由に決断できる起業家。
カーネギーは、後者にこそ真の「主人（マスター）」としての価値を見出していました。

「自分の主人になる」とは、独立して稼ぐことではない

ここで誤解してはいけないのは、カーネギーが単に「会社を辞めて独立せよ」と言っているわけではないという点です。
彼が本当に伝えたかったのは、**「自分の判断で生きる力を持て」**ということ。

つまり、

• 仕事を通して自分の意思を貫けるか
• 誰かの評価に依存せず、自分の価値を生み出せるか
• お金のために働くのではなく、信念のために働けるか

この３つの問いに「YES」と答えられるなら、組織に属していても“自分の主人”として生きることができるのです。

カーネギーのいう「独立」は、精神的な独立＝自立した働き方でもあるのです。

カーネギーの決断：安定より自由を選ぶ

カーネギーはもともと、ペンシルヴァニア鉄道という安定した職場に勤めていました。
その地位も収入も順調に上がり、誰が見ても「成功したサラリーマン」でした。

しかし彼は、自らの時間のほとんどを「他人のため」に使っていることに気づきます。
やがて、自分の投資活動が拡大し、ついにこう決断します。

「会社を退職して自分の投資活動に専念することを決意し、社長も快く送り出してくれた。」

その後、彼は独立して数々の事業を立ち上げ、鉄鋼王として成功します。
この転機が、彼の人生を「指示される側」から「決める側」へと変えたのです。

自分の主人になるための３つのステップ

カーネギーの哲学を、現代のキャリア形成に当てはめると次のように整理できます。

① 自分の時間を「自分の資産」として扱う

他人のために働く時間を減らし、自分のスキルや知識を磨く時間を増やす。
副業・勉強・発信など、自分の資産を積み上げる行動が、自由への第一歩です。

② 決断の責任を自分で負う

「上司に言われたから」ではなく、「自分で選んだ」と言える仕事を増やしましょう。
小さな決断を繰り返すことで、責任感と判断力が育ちます。

③ 経済的自由を目指す

お金のために働く限り、誰かに依存してしまいます。
生活の基盤を安定させ、経済的に自由になることで、ようやく“自分の意思で選べる人生”が始まります。

雇われることは悪ではない。だが「依存」は危険

カーネギーは決して「会社員を否定」していたわけではありません。
むしろ、会社で働く経験を通して学び、信頼を築くことの大切さを強調していました。

しかし同時に、こうも警告しています。

「他人の指図にしたがっている限り、狭い世界で生きているに過ぎない。」

つまり、雇われることそのものではなく、“自分の意志を失うこと”こそが危険なのです。
会社に勤めながらでも、「自分の軸」を持ち、「選択の自由」を手にすることは可能です。

まとめ：あなたは「誰のため」に働いているか

アンドリュー・カーネギーの言葉は、私たちに根本的な問いを投げかけています。

「あなたは自分の主人か、それとも他人の主人に仕えているのか？」

出世しても、給料が上がっても、自由に意思決定できなければ本当の成功とは言えません。
一方、自分の信念を軸に行動し、自分の責任で決断している人は、すでに“自分の主人”です。

自由とは、地位でも収入でもなく、自分で選び、自分で生きる力のこと。

今日から、自分の時間と判断を他人に委ねるのをやめましょう。
あなたの人生の舵を握るのは、あなた自身です。

「勤め人は自分の主人とはいえない。
だが、信念を持って働く人は、どこにいても自由である。」

TAKA

理学療法士/ビール

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理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。