『言論の自由が危うい──民主主義を守る最後の条件』
民主主義の生命線とは何か
自由民主主義の根幹にあるのは、「言論の自由」と「多数決の原理」である。
特定の意見、特に民族や祖先に関する発言を排除してしまえば、もはや自由な議論は成立しない。言論が封じられたとき、民主主義そのものが崩壊していく。
近年のドイツでは、反グローバリズム政党が「過激派」として監視対象に指定された。これは方向性こそ違えど、権力による言論統制という意味では、ナチスの手法を思い起こさせるものだ。
欧州で進む「思想の弾圧」
2025年7月、フランスではマリーヌ・ルペン率いる国民連合の本部が当局により捜索された。選挙資金の不正疑惑という名目だが、政敵を排除する政治的圧力だと多くの市民が感じている。
欧州各国で「極右」とレッテルを貼られた反グローバリズム勢力が台頭する一方、政府側は司法や行政の力で抑え込もうとしている。民主主義の名のもとに、民主主義が破壊されつつあるのが現実である。
もともと移民国家として成り立ってきたアメリカと異なり、ヨーロッパ諸国は歴史的に民族と宗教の一体性を基盤としてきた。
だが、イスラム系移民の大量流入によって、文化や伝統、信仰の根幹が揺らぎつつある。すでに移民比率が15%を超える国も多く、国民国家の再構築は容易ではない。
多数決が「正統」とされる理由
民主主義は、多数決という単純な仕組みで動いている。
そこには「勝者」と「敗者」が必ず生まれる。
重要なのは、敗れた側が「自分の意見とは違うが、多数派の判断を受け入れる」と納得することだ。
この「納得」があるからこそ、社会は安定する。
納得が崩れれば、暴動やテロ、クーデターへと向かう。
つまり、民主主義の根本は、手続きの正しさだけでなく、同じ共同体への「帰属意識」に支えられている。
「自分たちは同じ国民である」という共通認識があるからこそ、多数決の結果を受け入れられるのだ。
自由を支える文化と伝統
この「同胞意識」を生み出すのは、近代的な制度ではない。
文化、伝統、歴史――これら前近代的な要素が、自由民主主義の見えない基盤を形づくっている。
新たな人種、宗教、価値観が急速に流入すれば、その基盤は容易に壊れる。
欧州はすでに危うい地点に立たされているが、日本はまだ間に合う。
自国の文化と共同体を尊重しながら、適切な政策転換を図ること。
それこそが、言論の自由を守り、民主主義を持続させる唯一の道といえる。
