自己啓発

『プライマリーバランス目標の行方と日本経済の真実』

taka

経済再生の鍵を握る新体制

高市内閣の経済再生担当大臣に、積極財政派として知られる城内実議員が就任した。
経済再生担当大臣は、「骨太の方針」と呼ばれる政府の経済政策の基本方針づくりも担う。
そのため、これまで毎年盛り込まれてきた「プライマリーバランス(PB)黒字化目標」が、今後どう扱われるのかが注目されている。

「PB黒字化目標」を外すという現実的選択

理想を言えば、政府が堂々と「PB黒字化目標を破棄する」と閣議決定することだろう。
しかし、財務省との対立を避けるため、現実的には「骨太の方針」からPB目標そのものを削除し、存在しなかったことにする手もある。
この手法なら、衝突を避けつつ、実質的に財政方針を転換できる。
政治の世界では、こうした「静かな修正」がよく行われるものである。

名目GDPの拡大がもたらす構造変化

近年の日本は、物価上昇によって名目GDPが拡大している。
実質成長率が伸び悩んでいても、名目値が増えれば「政府債務対GDP比率」は自然と低下する。
すでにその傾向はデータにも現れており、経済構造が変わりつつあることを示している。
つまり、PB黒字化を掲げずとも、財政の持続性は数字の上では確保されつつあるということだ。

高市総理の言葉に込められた意図

高市総理は所信表明演説で、「成長率の範囲内に債務残高の伸びを抑える」と述べた。
ここでの「成長率」とは、実質ではなく名目成長率を指す。
この表現こそが重要で、名目成長による債務比率の安定化を目指す姿勢が読み取れる。
つまり、すでに掲げた財政目標は「実質的に達成されている」といえる。

デフレという真の敵

結局のところ、日本経済を長年苦しめてきたのは「デフレ」である。
物価が下がり続ける中で名目GDPが伸びず、結果として債務比率が上昇した。
その最中に「PB黒字化目標」を導入したこと自体が、経済成長を妨げる愚策だった。
もしそれが意図的に緊縮を促すための戦略であったなら悪質であり、善意によるものならば無知の産物である。
いずれにせよ、日本の財政政策には「悪意と無理解」の混ざった構造的な問題があるといえる。

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ABOUT ME
TAKA
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理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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