ビジネス書100冊で判明した「SNSを使え」派の主張──実名・炎上・2秒で4億円のマンション購入まで
SNSは見るなと言われたり、使えと言われたり
前章では「SNSを見ると主体性が奪われる」「AIの奴隷になる」など、ビジネス書界隈の“反SNS”の主張を紹介した。
しかし本章はその逆。
ビジネス書の世界には同じくらい強い「SNSを使い倒せ」派も存在する。
このジャンルの主張はだいたい極端で、落差が激しい。
しかし、100冊読んだ今となっては矛盾が起きても驚かない。
矛盾こそがビジネス書の常である。
「SNSの断片情報を追うだけでいい」派
まずは三浦崇宏『言語化力』。
新聞をくまなく読む必要はない。
ツイッターやLINEで流れてくる情報を目で追っておくだけでいい。
要するに、目についた情報をぼんやり眺めておけばスタンスが定まるらしい。
ただ、さっきの章で「断片的な情報を集めていると抽象化できなくなる」「AIの指示に従うだけの人間になる」と言われたばかりだ。
もしこの教えを信じるなら、
「AIの指示に従うだけの人間」というスタンスが定まる可能性すらある。
まあ、そこまで含めて“スタンスは人それぞれ”なのだろう。
「匿名アカウントは信用ポイントが貯まらない」派
次は西野亮廣『新世界』。
まもなく、個人の信用がモノを言う時代に突入する。
当然、匿名のSNSは得策じゃない。
ということで、SNSは実名でやるべきだと主張する。
ただ、実名運用で気になるのは炎上リスクだ。
会社員なら懲戒の可能性すらあるわけで、「実名でやれ」はなかなか強気なメッセージである。
しかし西野さんはこう言う。
「炎上=悪い」と結論しちゃダメだ。
炎の中にある本質を見るんだよ。
いや、上司に呼び出された moment に本質を探る余裕はないと思う。
さらにこう続く。
傷つき続けている理由は一つ。
キミが弱いからだ。
つまり、炎上に怯えるのは弱さであり、強くなれば問題ないらしい。
新世界とは、かなり体力勝負の世界のようだ。
「バズるには非常識行動をしろ」派
SNS活用論の過激派として外せないのが与沢翼『ブチ抜く力』。
東京・港区の4億円のマンションを内見して、玄関を開けて2秒で「これ買います」。
この“2秒で4億円”が話題になり、フォロワーが増え、取材が増え、メリット盛りだくさんだったらしい。
主張としてはこうだ。
常識を外れた行動をとるとSNSで一目置かれる。
確かに4億円を2秒で買うのは驚く。
しかし一般人が真似したら、その瞬間に人生が破綻する可能性がある。
とはいえ、非常識にはいろいろな種類がある。
たとえばこんな例もある。
生卵60円を注文するかどうか、経営者が15秒間悩んでいた。
こちらは逆に“ちっちゃい非常識”だ。
ただ、これもこれで著者を驚かせ、書籍で語り継がれるほどのインパクトがあった。
つまり、
2秒で4億円でも、15秒で60円でも、極端ならだいたい注目される。
ということらしい。
まとめ:SNS活用本の教えは極端だが、方向性はなんとなく一致している
ここまでの主張を簡潔に整理すると、
- Twitterの断片情報を見るだけでスタンスが定まる
- SNSは実名でやれ。炎上は弱さの問題だ。強くなれ
- バズりたいなら非常識な行動を取れ。4億円を2秒で買うか、60円で悩むかは自由
矛盾も多いが、芯となる部分はひとつ。
「SNSで注目されることが価値を生む」
これが、SNS活用派ビジネス書の共通項だ。
なお僕自身は、実名で炎上しながら新世界を切り拓くほど強くはないので、仲間にはなれない。
しかし、あなたがやりたいなら止めはしない。
炎の中の本質を見つけたら、ぜひ教えてほしい。
