鵞足腱障害の発症機序を解説|若年スポーツ例と膝OA例で異なる力学的背景
taka
Taka Knowledge Output
筋膜(fascia)は皮膚の下に広がる 結合組織のシートで、臓器や筋肉、骨を取り囲み、安定性や強度を与え、摩擦を減らす役割を持ちます。
もともと「fascia」という言葉は外科医が使っていた用語で、解剖の際に確認できる臓器や筋肉を包む膜状組織を指していました。
近年ではその定義が広がり、**腱・靭帯・滑液包・筋内膜(endomysium)・筋周膜(perimysium)・筋上膜(epimysium)**なども含めて「筋膜システム」として捉えられるようになっています。
筋膜は大きく 浅筋膜(superficial fascia)・深筋膜(deep fascia)・臓側筋膜(visceral fascia)・壁側筋膜(parietal fascia) の4つに分類されます。
筋肉・骨・血管・神経を取り囲み、浅筋膜より線維性で密度が高い層です。ヒアルロン酸が豊富で、血管やリンパ管も発達し、自由神経終末(ルフィニ小体・パチニ小体)を含むことがあります。
心臓(心膜)、肺(胸膜)、消化器(腹膜)など、体腔内の臓器を包み支える筋膜。臓器を安定させ、動きに伴う摩擦を軽減します。
体腔壁を裏打ちする筋膜で、漿膜の壁側層のすぐ外側に位置します。代表的には骨盤内の壁側筋膜が知られています。
浅筋膜と深筋膜は繊維性の中隔でつながり、脂肪組織や臓器を貫いてネットワークを形成しています。これにより、筋膜は全身に張り巡らされた結合組織の連続体として機能し、身体をひとつにまとめています。