インプット3:アウトプット7は本当に“黄金比”なのか? ビジネス書100冊読んだら真逆の主張が次々出てきた話
インプット3:アウトプット7は“黄金比”らしい(本当に?)
知的労働において、インプットとアウトプットは両方必要だ。
僕自身も「ビジネス書100冊インプット → この本をアウトプット」という作業を繰り返している。
では、最適な比率はどれくらいなのか?
その答えが書いてあるのが『アウトプット大全』である。
インプットとアウトプットの黄金比は3:7。
著者いわく、ほとんどの人は「インプット過剰」で「アウトプット不足」らしい。
なるほど……しかし僕の場合はどう考えても 95:5 くらいだ。
黄金比から遠すぎてオリンピックなら失格である。
そもそもこの“黄金比”、根拠は何?
本書が拠り所にしているのは、アーサー・ゲイツ博士の暗記実験だ。
- 小3〜中2に「9分間でプロフィール暗唱させる」
- 覚える時間(インプット)と練習時間(アウトプット)の比率を変える
- インプットが30%前後のグループが高得点
……つまり、
これは「丸暗記に最適な比率」であって
“創作”や“研究”に最適な比率ではない。
徳川将軍を覚えたいなら3:7は良いかもしれないが、
徳川家の深掘り記事を書くのに3時間しか調べない人はいない。
僕なら9時間調べて1時間で書く。
真逆の黄金比を掲げる本がこちら
『読みたいことを、書けばいい。』はこう言っている。
物書きは「調べる」が 9割9分5厘6毛。
もはや黄金比どころか金箔まみれである。
インプット:アウトプット=99.56:0.44。
ここまでいくと『アウトプット大全』と完全にケンカだ。
ただ、この主張の理由は明確で、
「良い文章を書きたければ、とにかく調べろ。
調べないやつは歩道橋で詩集でも売れ」
という大変ストレートなアドバイスが添えられる。
アイデア創出でも、インプットこそすべてだった
創作だけではなく、アイデア生成においても
リサーチの重要性を説く古典が『アイデアのつくり方』。
第一段階は資料を集めること。
これを皆サボりまくっている。
この本の核心はこれだ。
リサーチしまくって、情報を脳内で整理しておけば
“勝手に”アイデアが閃く。
つまり、インプットこそアイデア生成の母である。
ここまでの主張を整理するとこうなる
- 丸暗記したいときだけ、インプット:アウトプット=3:7
- 良いものを作りたいときは、ほぼ全部インプット
- アイデアを生み出したいときも、ほぼ全部インプット
つまり、
3:7は“丸暗記専用モード”であり
クリエイティブ領域では役に立たない。
ということだ。
では、結論は?
・丸暗記したい → 3:7(ただしAIに仕事を奪われる?)
・創作したい → 9割以上インプット
・アイデアを出したい → 9割以上インプット
つまりこうなる。
インプットは多ければ多いほどいい(ただし丸暗記を除く)。
