「持ちたい」より「ありたい」を選ぶ──7つの習慣が教える主体性の原則と影響力を高める思考法
「持ちたい」と「ありたい」──あなたはどちらに時間を使っている?
私たちの日常には、無意識のうちに「持ちたい」気持ちがあふれています。
- 家があればもっと幸せになれる
- 上司がもっと理解してくれたら仕事が楽になる
- 〇〇の資格さえあればキャリアが開ける
- もっと自由な時間を“持ちたい”
この「持ちたい」は、ほとんどが自分の外側に原因や解決を求める思考です。
『7つの習慣』でスティーブン・R・コヴィー博士は、この状態を明確に指摘しています。
「問題は自分の外にあると考えるならば、その考えこそが問題である。」
外側が変わらなければ、自分も変われない。
そう考えると、主体性は完全に失われます。
「持ちたい」は関心の輪の思考──変えられないものにエネルギーが吸われる
「持ちたい」という欲求は、ほとんどが 関心の輪 の領域にあります。
- 好きな環境を“持ちたい”
- 理想の人間関係を“持ちたい”
- 成果を“持ちたい”
しかし、それらの多くは 自分ではコントロールできないもの です。
そのため、
- 叶わないことにイライラする
- 他責思考が強まる
- 被害者意識が膨らむ
- 行動が止まる
という悪循環が起こります。
外側が整うまで待つ生き方は、主体性を弱らせ、自分の力で未来を作れなくなるのです。
「ありたい」は影響の輪の思考──自分の変化から世界が動き出す
一方で、「ありたい」という視点はまったく別物です。
- もっと忍耐強い自分でありたい
- もっと誠実なビジネスパーソンでありたい
- もっと協力的な仲間でありたい
- もっと成長に向かう自分でありたい
これはすべて、自分の内側(インサイド)から始める思考。
つまり 影響の輪の中心にあるもの です。
自分の“あり方”は、100%自分でコントロールできます。
だからこそ、ここに注ぐエネルギーは確実に成果につながり、
結果として外側にも好影響を与えます。
インサイド・アウト──あり方を変えれば周囲が変わる
「インサイド・アウト」の考え方とは、
外側に解決策を求めるのではなく、自分の内側から変化を起こす
ということ。
例えば、上司や組織に不満があるときに、
- 悪口を言う
- 文句を言う
- 何も変わらないと諦める
という反応をしても状況は変わりません。
しかし、
- 自分の仕事の質を上げる
- 丁寧なコミュニケーションを心がける
- 貢献の量を増やす
- 相手の立場を理解する行動を取る
こうした「あり方」を変えると、不思議なほど職場の空気が変わり始めます。
自分が変わる → その変化が周囲に伝わる → 見える世界が変わる
インサイド・アウトとは、まさにこの連鎖を起こすことなのです。
「持ちたい」を追いかけるほど、自分が弱くなる理由
“外側が変わらなければ幸せになれない”という考え方は、
自分自身を弱者の立場に押し込めます。
- 上司が変わるまで動けない
- 環境が良くならないと成長できない
- 時間ができないと勉強できない
- お金がないと挑戦できない
こうして、自分の影響力を自ら放棄することになるのです。
『7つの習慣』でいう 被害者パラダイム が形成され、
やがて「関心の輪」にばかり意識が向いてしまいます。
「ありたい」を選ぶと、影響の輪が急速に広がる
では「ありたい」を選ぶと何が変わるのか。
- 行動が変わる
- 習慣が変わる
- 思考が変わる
- 自己効力感が上がる
- 周囲の信頼が増える
- チャンスが増える
つまり、あなたの影響の輪が大きくなるのです。
他責思考が消え、
主体的な行動が増えると、
環境から得られる結果まで変わっていきます。
ビジネスの成功も「ありたい」から始まる
職場で不満を抱え、周囲の問題ばかり指摘しても何も変わりません。
- 組織の課題を責める
- 上司の欠点を語る
- 他部署の非効率を笑う
こうした言動は、自らを“無力な被害者”の立場に固定してしまうだけ。
ビジネスで成果を出す人は、例外なくこう考えます。
「まず、自分が最高のビジネスパーソンでありたい」
この“あり方”から出発することで、
組織にとって価値ある存在となり、
結果として評価も成果も後からついてきます。
ワーク:あなたが「もっともありたい」姿は?
あなたが本当に望んでいる「ありたい姿」は何でしょうか?
次の問いに答えてみてください。
■あなたが今、最も“ありたい”と思う人物像は?
(例:誠実な人、粘り強い人、チャレンジする人、協力的な仲間 etc.)
■その姿に近づくために、今日できる小さな行動は?
■「持ちたい」と思っていたものの中で、“ありたい”に置き換えられるものは?
まとめ:「持ちたい」から「ありたい」へ視点を移すだけで、人生は主体性を取り戻す
- 持ちたい → 自分の外側に答えを求める
- ありたい → 自分の内側から変化を起こす
主体性は、特別な能力ではなく、
「あり方」を選ぶ習慣です。
あなたが今日、「ありたい自分」を一つ選ぶだけで、
影響の輪は必ず広がっていきます。
