なぜ「明日から本気出す」は失敗するのか?自分との約束を破る本当の怖さ
「今年こそはダイエットするぞ!」 「明日からは早起きして勉強する!」
そう決意したのに、三日も経たずに挫折して、「ああ、自分はなんて意志が弱いんだ……」と落ち込んだ経験はありませんか?
実は、その挫折が繰り返されるたびに、あなたの**「人生を変える力(影響力)」**はどんどんしぼんでしまっています。
理学療法士としてリハビリ指導をしていると、回復が早い人にはある共通点があります。それは、大きな目標を掲げる人ではなく、「今日できる小さな約束」を必ず守る人です。
この記事では、コヴィー博士の言葉をヒントに、「影響の輪」の中心にあるパワーの源について解説します。
結論をお伝えします。 自信とは、思い込みではありません。 「自分で決めた約束を、自分で守った」という実績の積み重ねこそが、最強の自信になるのです。
「影響の輪」の中心にあるもの
コヴィー博士は、私たちがコントロールできる領域(影響の輪)の「ど真ん中」にあるものについて、こう述べています。
「影響の輪」のもっとも中心にあるのは、決意し、約束をしてそれを守る能力である。 自分自身や他者に約束をし、その約束に対して誠実な態度をとることが、私たちの主体性の本質(中略)である。
「影響力」と聞くと、多くの人は「他人を説得する力」や「リーダーシップ」をイメージします。 しかし、本当のスタート地点はそこではありません。
体幹(コア)がなければ手足は動かない
これを人間の体に例えてみましょう。 「影響の輪」の中心は、体の**「体幹(コア)」**にあたります。
どれだけ手足(テクニックや行動)を動かそうとしても、腹筋や背筋といった体幹がグニャグニャだったら、強い力は出せませんよね? 人生における体幹とは、まさに**「約束を守る力(誠実さ)」**のことです。
「やると言ったことをやる」。この筋肉が弱い人は、どんなに素晴らしい計画を立てても、人生をコントロールすることはできないのです。
自分への裏切りが一番怖い
「他人との約束」は守ろうとするのに、「自分との約束」は平気で破ってしまう人がいます。
- 「7時に起きる」と決めたのに、二度寝する。
- 「今日から禁酒」と決めたのに、飲んでしまう。
誰も見ていないから大丈夫だと思っていませんか? いいえ、**「あなた自身」**が見ています。
「どうせ私なんて」という呪い
自分との約束を破るたびに、脳内では次のようなメッセージが刻まれます。 「私は、私の言うことを信用しない」
これが繰り返されると、自分の言葉に力がなくなります。 「よし、起業しよう!」と思っても、「どうせまた口だけでしょ?」と、もう一人の自分がブレーキをかけてしまうのです。これが「自信がない」状態の正体です。
小さな約束から始めよう
では、どうすればこの「誠実さの筋肉」を鍛え直せるのでしょうか? 答えはシンプルです。**絶対に守れる「小さな約束」**から始めることです。
いきなり「毎日10km走る」なんて約束をしてはいけません。重すぎるバーベルはいきなり持ち上がりません。
- 「毎朝、水を一杯飲む」
- 「靴を揃える」
- 「寝る前にありがとうと言う」
こんな些細なことでいいのです。 重要なのは、内容の大きさではありません。 「自分で決めて、実行した」という事実を作ることです。
この小さな勝利を積み重ねることで、あなたの体幹は鍛えられ、やがて「影響の輪」は驚くほど大きく広がっていきます。
まとめ・アクションプラン
記事の要点をまとめます。
- 人生をコントロールする力(影響の輪)の源は、「約束を守る能力」にある。
- 自分との約束を破ることは、自分への信頼(自信)を失う最も危険な行為である。
- まずは「小さな約束」を守ることから始めよう。それが主体性の筋肉を鍛える。
自信をつけるのに、すごい実績や他人からの評価は必要ありません。 ただ、**「私は約束を守る人間だ」**と、自分が自分を信じられる状態を作ればいいのです。
Next Action:今から10分間の約束
この記事を読み終わったら、一つだけ自分と約束をしてください。
「今から10分間だけ、○○をする」
スマホを置いて本を読むでも、洗い物をするでも構いません。 そして10分後、「よし、約束を守ったぞ」と自分を褒めてあげてください。 その小さな達成感が、あなたの人生を変える最初の一歩になります。
