なぜ忙しいのに満たされない?人生のバランスを劇的に改善する「役割」の魔法
「仕事で成果を出せば出すほど、なぜか家族との距離が遠くなる」 「妻(夫)としての役割、親としての役割、社員としての役割……全部が中途半端な気がする」
そんなふうに、複数の顔を持つことの難しさに悩んでいませんか?
私たちは誰でも、人生という舞台で一人何役ものキャラクターを演じています。しかし、どれか一つの役に没頭しすぎると、他の大切な役がおろそかになり、人生全体のバランスが崩れてしまいます。
世界的な名著『7つの習慣』では、この問題を解決するために**「人生の役割(ロール)ごとにミッションを書く」**ことを推奨しています。
私は理学療法士として働いていますが、これは「身体のバランス」と全く同じです。右腕ばかり鍛えて左足を使わなければ、身体は歪み、まともに歩けなくなります。
この記事では、仕事も家庭も、そして自分自身の健康もないがしろにせず、調和の取れた人生を送るための「役割」の考え方について解説します。
結論をお伝えすると、**「自分が持っている『帽子(役割)』をすべて並べてみる」**ことが、バランスを取り戻す第一歩です。
私たちは一人で「何役」も演じている
まず、現状を整理しましょう。コヴィー博士はこう問いかけます。
私生活での役割を考えてみる。夫、妻、父親、母親、隣人、友人などいろいろな立場にあるはずだ。仕事上の役割はどうだろうか。これらの役割はどれも同じように大事だ。
あなたは会社に行けば「部長」かもしれませんが、家に帰れば「夫」であり、子供にとっては「父親」であり、実家の親にとっては「息子」です。 そして忘れてはならないのが、自分自身をケアする「個人」としての役割です。
これらは、どれか一つが欠けても、あなたの人生は完全なものにはなりません。
なぜ「仕事人間」は不幸になるのか?
多くの人は、目に見える成果が出やすい「仕事上の役割」に過剰なエネルギーを注ぎがちです。
理学療法士が見る「身体の歪み」と「人生の歪み」
これを身体に例えてみましょう。 「仕事」という筋肉ばかりを極端に鍛え上げたボディビルダーがいるとします。しかし、彼の「家庭」という筋肉はガリガリに痩せ細っています。
どうなると思いますか? バランスが悪すぎて、まともに立つことすらできません。やがて身体(人生)に激痛が走り、倒れてしまいます。
「仕事で成功したけれど、定年後に家に居場所がない」 「昇進したけれど、健康を害して入院した」
これらは全て、特定の役割に偏り、人生の姿勢(ポスチャー)が悪くなった結果なのです。
「役割」ごとに目標を立てよう
では、どうすればバランスを保てるのでしょうか。 解決策は、漠然と目標を立てるのではなく、**「役割ごとに」**ミッションを書くことです。
自分の人生での大切な役割を念頭に置いてミッションを書くと、生活にバランスと調和が生まれる。
例えば、以下のように書き出してみます。
- 夫として: 妻の話を毎日15分聴くパートナーである。
- 父親として: 子供の挑戦を応援し、背中で語れるガイド役である。
- マネージャーとして: 部下の才能を引き出し、チームを勝利に導くリーダーである。
- 個人として: 健康を維持し、常に学び続ける探求者である。
こうして書き出すことで、「あ、最近『父親』としての活動ができていないな」と気づくことができます。
定期検診で「役割のバランス」をチェックする
身体の健康診断と同じように、人生にも定期検診が必要です。
ミッション・ステートメントを折に触れて目にすれば、一つの役割だけに注意が向いていないか、(中略)確かめることができるのだ。
週に一度、自分の手帳に書いた「役割ごとのミッション」を見返してください。 「今週は仕事が忙しすぎたから、週末は『友人』としての役割を大切にしよう」 といった微調整が可能になります。
この微調整こそが、大事故(家庭崩壊や病気)を防ぐ唯一の安全装置なのです。
まとめ・アクションプラン
今回の記事の要点をまとめます。
- 私たちは「仕事」以外にも、夫・妻・親・友人など、多様で重要な役割を持っている。
- 一つの役割(特に仕事)に偏りすぎると、人生のバランスが崩れ、他の大切なものを失うリスクがある。
- 役割ごとにミッション(目標)を定め、定期的に見直すことで、調和の取れた生活が実現する。
Next Action:あなたの「役割」をリストアップしよう
今すぐスマホのメモ帳を開き、**「自分が持っている役割」**をすべて書き出してみてください。
- 仕事(◯◯職)
- 夫・妻
- 親
- 友人
- 地域の一員
- 自分自身(←ここを忘れずに!)
書き出したら、最近おろそかになっている役割に「⚠マーク」をつけてみましょう。 その役割に対して、今週できる「小さな一歩」は何ですか?
役割ごとの目標設定や、バランスの取れた週間計画の立て方を詳しく学びたい方は、**『7つの習慣』を手に取ってみてください。また、この考え方を実践するために作られた手帳『フランクリン・プランナー』**も、人生のバランス調整に非常に役立ちます。
