「重力」には勝てないように、人生にも「絶対に破れないルール」がある
「バレなければ何をしてもいい」 「正直者がバカを見る世の中だ」
ふと、そんなふうに世の中を冷めた目で見てしまうことはありませんか? あるいは、近道をしようとして小手先のテクニックを使った結果、かえって大きなトラブルを招いてしまった……そんな経験にお悩みではありませんか?
実は、この世界には**「これだけは絶対に曲げられない」という不変のルールが存在します。 それを『7つの習慣』では「原則」**と呼びます。
この記事では、コヴィー博士が用いた有名な**「灯台の比喩」**を通して、私たちが決して逆らうことのできない「自然の法則」について解説します。
結論から言えば、原則(ルール)を無視して生きることは、重力を無視してビルの屋上から飛び降りるのと同じです。 怪我をするのは、地面(原則)ではなく、あなた自身なのです。 では、どうすればこの絶対的なルールを味方につけられるのか、その秘密をお伝えしましょう。
人生における「灯台」とは何か?
夜の海を航海する船にとって、灯台は命綱です。 ここでのポイントは、**「船(私たち)は動けるが、灯台(原則)は動かない」**ということです。
霧の中の戦艦と灯台の逸話
有名な逸話があります。 濃霧の中を進む戦艦が、前方に光を見つけました。衝突を避けるため、戦艦は信号を送ります。 「進路を20度変更せよ」
相手からは「そちらが変更せよ」と返ってきます。 激怒した戦艦の艦長は、「私は戦艦の艦長だ! そちらが20度変更せよ!」と命令します。 すると相手から、静かな返答がありました。 「こちらは『灯台』だ。そちらが変更せよ」
私たちの人生もこれと同じです。 「公正さ」「誠実さ」「正直さ」といった原則は、灯台のように動きません。 「今の時代は嘘をついても平気だ」と私たちがいくら主張しても、原則の方を動かすことは不可能なのです。
「原則」を破ることはできない
映画監督セシル・B・デミルは、映画『十戒』の中でこう語りました。 「神の律法(原則)を破ることはできない。それを破ろうとすれば自分自身が破れるだけだ」
この言葉は、非常に深い真理を突いています。
重力の法則には誰も逆らえない
医療の世界で考えてみましょう。 「暴飲暴食をしても健康でいたい」と願うのは自由ですが、それは不可能です。 人間の体には生理学という「原則(自然の法則)」があるからです。 無理を続ければ、体を壊す(自分自身が破れる)のは火を見るよりも明らかです。
ビジネスや経済でも同じです。 詐欺的な手法で一時的にお金持ちになれたとしても、「信頼」という原則に反していれば、いずれ必ず破綻します。 私たちは原則を破ったつもりでいても、実際には原則という壁に頭を打ちつけて、自分自身を傷つけているだけなのです。
原則中心に生きると、迷いが消える
では、どうすれば「自分自身が破れる」ことなく、スムーズに人生を進めることができるのでしょうか? 答えはシンプルです。「地図(自分の考え)」を「灯台(原則)」に合わせることです。
- 嘘をつかずに誠実であること
- 相手を尊重すること
- 努力なくして成果はないと知ること(農場の法則)
これらは古臭い道徳のように聞こえるかもしれません。 しかし、これら「自然の法則」に従って生きることこそが、長期的には最も効率が良く、最も安全な成功への近道なのです。
まとめ・アクションプラン
今回の記事の要点をまとめます。
- **原則(自然の法則)**は灯台のようなもので、絶対に動かすことはできない。
- 原則を無視して近道をしようとしても、結局は自分自身が傷つき、破綻するだけである。
- 自分の行動を、誠実さや公正さといった「不変の原則」に合わせることで、人生は安定し繁栄する。
【Next Action:読者が次に取るべき行動】
今、あなたが抱えている悩みやトラブルを、一度「原則」という物差しで測ってみてください。 「自分は今、灯台(動かない法則)に喧嘩を売っていないか?」 「すぐに結果を求めすぎて、自然のプロセスを無視していないか?」
そう自問自答するだけで、無駄な衝突を避け、正しい進路が見えてくるはずです。
この「原則」という概念こそが、全世界4000万部を超えるベストセラー**『7つの習慣』**の土台となっています。 時代が変わっても決して色褪せない「人生の攻略本」を、ぜひ手元に置いておくことをおすすめします。
