努力しているのに結果が出ないのはなぜ？「人ではなくシステム」を見る思考法

「これだけ頑張っているのに、なぜ結果が出ないんだろう？」 「あの人は優秀だったはずなのに、どうしてこのチームでは輝かないんだろう？」

職場や家庭、あるいは自分自身に対して、このようなモヤモヤを抱えてお悩みではありませんか？

実は、うまくいかない原因の多くは、個人の能力（人）ではなく、その人を取り巻く環境やルール（システム）にあることが多いのです。

この記事では、世界的ベストセラー『7つの習慣』の著者、スティーブン・R・コヴィーの言葉を紐解きながら、「悪い流れ」を断ち切るためのヒントをお伝えします。この考え方を知れば、無意味な自分責めや他者批判から解放され、本当に解決すべき課題が見えてくるはずです。

結論から言うと、「花（人）が咲かないなら、まずは水（システム）の状態を疑おう」ということです。

問題なのは「人」ではなく「システム」である

多くの現場で、ミスや失敗が起きると「誰がやったんだ？」「気合が足りないからだ」と、個人を責める風潮があります。しかし、スティーブン・R・コヴィーはこう断言しています。

「多くの場合、問題があるのは人ではなくシステムのほうである」

これは、リハビリテーションの現場や経済活動においても非常に重要な視点です。

例えば、リハビリの世界では、患者さんが転んでしまった時、「注意不足だ」と責めることはしません。「床が滑りやすかったのではないか？」「靴が合っていなかったのではないか？」と、環境（システム）を見直します。

ビジネスや日常生活もこれと同じです。

優秀な人材も「悪いシステム」には勝てない

コヴィーはさらにこう続けます。

「いくら優秀な人材でも、悪いシステムに入れたら悪い結果しか出てこない」

想像してみてください。どんなに高性能なスポーツカーでも、泥沼のような悪路（悪いシステム）を走らせれば、軽自動車よりも遅くなり、最悪の場合は故障してしまいます。

これを個人の努力不足だと断罪するのは、あまりにも理不尽ではないでしょうか。

あなたの職場は「花に水をやる」環境ですか？

「育ってほしい花には水をやらなくてはならないのだ」

この言葉は、非常にシンプルですが本質を突いています。 「部下が育たない」「子供が勉強しない」と嘆く前に、私たちは「育つための水（環境・ツール・サポート）」を十分に与えているでしょうか？

• 情報は共有されていますか？
• 理不尽なルールで縛っていませんか？
• 失敗を許容する空気はありますか？

水を与えずに「早く咲け」と叫んでいるだけなら、枯れてしまうのは当然の結果と言えます。

自分を責める前に「仕組み」を変えるアプローチ

もし今、あなたが「結果が出ない」と苦しんでいるなら、自分の能力を疑う前に、一度立ち止まって「システム」を見直してみましょう。

ボトルネックを探す

「自分がダメなんだ」と落ち込むエネルギーを、「どこに無理があるのか？」を探すエネルギーに変えてください。

• 業務プロセスに無駄がないか？
• 誰かに負荷が集中する仕組みになっていないか？
• 物理的な環境（騒音、動線など）は適切か？

システムの問題であれば、あなたの心が弱いせいではありません。仕組みを変えるか、あるいは**「水のある場所（環境）」へ移動すること**も立派な解決策の一つです。

まとめ・アクションプラン

今回の記事のポイントは以下の3点です。

1. 問題の多くは「個人」ではなく「システム（環境）」にある。
2. 悪いシステムの中では、どんなに優秀な人でも結果を出せない。
3. 人を責める前に、まず「花に水を与えているか（環境は適切か）」を確認する。

結果が出ない時、私たちはつい精神論に逃げがちです。しかし、冷静に「仕組み」へ目を向けることで、状況は劇的に改善します。今日から「人のせい」にするのをやめて、「システムのせい」にして対策を考えてみましょう。

Next Action：思考の枠組みを変える一冊

より深く「効果的な生き方」や「人間関係の原則」を学びたい方には、今回の言葉の生みの親であるコヴィー博士の名著**『7つの習慣』**を強くおすすめします。

この本は単なる自己啓発書ではなく、人生というシステムをどう構築するかを説いた「人生の攻略本」です。まだ読んでいない方は、ぜひ手に取ってみてください。漫画版も読みやすくておすすめですよ。

TAKA

理学療法士/ビール

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理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。