自己啓発

あなたの「聞く」はただの「録音」だ。目と心を使う本当の傾聴とは。

taka

「ちゃんと話を聞いているのに、妻(夫)が怒り出す」 「部下の報告を聞いていたはずが、後で『そんなつもりじゃなかった』とトラブルになる」

仕事や家庭で、このようなコミュニケーションのズレにお悩みではありませんか?

自分では一生懸命「聞いている」つもりでも、相手にとっては「聞いてもらえた」と感じられない。このギャップの原因は、あなたが**「耳」だけで情報を処理しようとしているから**かもしれません。

この記事では、『7つの習慣』の著者コヴィー博士の言葉をヒントに、相手の心を真に開く「共感的傾聴」について解説します。理学療法士として多くの患者さんの「言葉にならない訴え」を汲み取ってきた経験から言えるのは、「聴く」とは全身を使った能動的なアクションだということです。

結論をお伝えします。相手の言葉(音声)だけでなく、表情や行動(非言語)まで「聴きとる」ことが、正確な理解への最短ルートです。

多くの人は「耳」しか使っていない

人と話すとき、私たちはつい「相手が何を言っているか(言語情報)」だけを追いかけてしまいます。しかし、コヴィーはこう指摘します。

「共感して聴くには、耳だけではなく、もっと大切なのは、目と心も使うことである」

これはコミュニケーションの本質です。 心理学の「メラビアンの法則」でも有名ですが、人が受け取る情報の**9割以上は、声のトーンや表情などの「非言語情報」**だと言われています。

つまり、耳だけで言葉を追う行為は、情報の残り9割を捨てているのと同じことなのです。これでは話が噛み合わなくて当然です。

目と心で「言葉の裏」をスキャンする

では、「目と心を使う」とは具体的にどういうことでしょうか。

「言葉の裏にある本当の意味を聴きとる。行動を聴きとる。左脳だけでなく右脳も使って、察し、読みとり、感じとるのである」

言葉と態度の「矛盾」に気づく技術

例えば、リハビリの現場で患者さんが「痛くないです」と言ったとします。 もし私が言葉通り(耳だけ)に受け取って、「じゃあ運動負荷を上げましょう」と進めたらどうなるでしょう? 実は患者さんは、眉間にしわを寄せ、冷や汗をかきながら(目で見る情報)、遠慮して「痛くない」と言っていたのかもしれません。これを見逃せば、大怪我につながります。

ビジネスや家庭も同じです。 「大丈夫です」と言う部下の声が震えていないか。「何でもない」と言うパートナーが目を合わせているか。 言葉と態度の矛盾こそが、その人の「本当の意味」です。それを察知するのが「心で聴く」ということです。

共感こそが「正確なデータ」を得る唯一の方法

感情に寄り添うというと、「優しさ」や「道徳」の話に聞こえるかもしれません。しかし、コヴィーはもっと実利的なメリットを挙げています。

「共感による傾聴の大きな強みは、正確なデータを得られることである」

相手が「この人はわかってくれている」と安心(共感)して初めて、人は防御を解き、隠していた本音や事実を話してくれます。

つまり、**共感とは「感情論」ではなく、正しい判断をするための「リスク管理」であり「情報収集スキル」**なのです。 相手の心を無視して得た情報は、不完全で誤ったデータである可能性が高い。これでは正しい処方箋(解決策)が出せるはずもありません。


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まとめ・アクションプラン

今回の記事のポイントは以下の3点です。

  1. 「聴く」とは耳だけでなく、目と心を使う総力戦である。
  2. 言葉(音声)よりも、表情や行動(非言語)に本音が隠されている。
  3. 相手に共感することで初めて、正確な事実(データ)が入手できる。

明日からの会話では、相手の言葉をメモする手を一旦止めて、「相手の目」を見て、その「表情の変化」を観察してみてください。今まで聞こえていなかった「声なき声」が聴こえてくるはずです。

Next Action:対人関係のバイブルを手元に

今回の「共感的傾聴」を含む、人間関係を劇的に改善させる原則が網羅された**『7つの習慣』**。まだお読みでない方は、ぜひ一度手に取ってみてください。 特に人間関係に悩む方には、第5の習慣(理解してから理解される)の章だけでも読んでみることを強くおすすめします。

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ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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