自己啓発

「貸してあげなさい」は逆効果?子供がわがままになる親のNG行動とは

taka

公園や児童館で、自分の子供が他のお子さんにおもちゃを貸せず、「ダメ!これ僕の!」と泣き叫ぶ姿を見て、恥ずかしい思いをしたことはありませんか?

「なんて意地悪な子なんだろう」 「早く貸してあげなさいと教えなきゃ」

そう焦る親御さんは多いですが、実はその「無理やり貸させる」行為こそが、子供の心を閉ざし、かえって共有できない子にしてしまう原因かもしれません。

この記事では、『7つの習慣』の著者コヴィー博士の実体験をもとに、子供が自然と「どうぞ」と言えるようになるためのステップを解説します。 理学療法士として発達の過程を見ていても、「立つ」前に「歩く」ことができないように、心にも**「所有」なしに「共有」はできない**という絶対的な順序があります。

結論をお伝えします。子供に「分かち合う喜び」を教えたいなら、まずは徹底的に「独り占め(所有)」をさせてあげなければなりません。

なぜ子供は「貸して」と言われるのを嫌がるのか?

大人からすれば「たかがおもちゃ」ですが、小さな子供にとっておもちゃは自分の体の一部のようなものです。 コヴィー博士は、子供の成長プロセスについてこう述べています。

「わが子の成長を本当に願うなら、所有感を体験させ、分かち合うことの大切さを教え、そして自ら模範を示さなくてはならない」

大人の「車」を勝手に貸されたら?

想像してみてください。 あなたが大切にしている新車や、買ったばかりのブランドバッグを、パートナーが勝手に近所の人に貸してしまい、「減るもんじゃないし、仲良くしなさい」と言われたらどう思いますか?

「ふざけるな!これは私のものだ!」と激怒しますよね。 子供におもちゃを貸すよう強要するのは、これと同じことをしているのです。

まだ「これは自分のものだ」という**所有感(アイデンティティ)**が確立していないうちに、所有権を侵害されると、子供は不安になり、余計に物に執着するようになります。

「所有」という土台があって初めて「共有」が建つ

家を建てる時に、基礎工事(土台)なしで2階(建物)を作ることはできません。 心の発達もこれと同じです。

  1. ステップ1:所有感(これは完全に僕のものだ!)
  2. ステップ2:共有(貸してあげても、僕のものはなくならない)

このステップ1を十分に満たしてあげることで、子供の心に余裕(セキュリティ)が生まれます。「これは絶対に自分のものだ」という安心感があるからこそ、初めて「じゃあ、ちょっとだけ貸してあげる」という自発的な共有が生まれるのです。

リハビリでも、まずは「自分の体を支える(安定)」ことができて初めて、「手を伸ばす(動作)」ことができます。安定なくして動作なし。所有なくして共有なし、です。

親ができる最高の教育は「模範を示す」こと

では、親はどうすればいいのでしょうか。口で「貸してあげなさい」と言うよりも効果的な方法があります。

「そして自ら模範を示さなくてはならない」

子供は親の背中を見て育ちます。 親であるあなた自身が、所有と共有のバランスをうまく取っている姿を見せることが重要です。

  • パパとママの間で物をシェアして「ありがとう」と言い合う。
  • 子供の大切なものを勝手に触らず、「触っていい?」と許可を求める。

特に後者は重要です。親が子供の所有権を尊重することで、子供は「所有感」を体験し、満たされます。そうして心に余裕ができれば、自然と他者へ目が向くようになります。


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まとめ・アクションプラン

今回の記事のポイントは以下の3点です。

  1. 「共有」させる前に、まず「所有感」を十分に満たしてあげる必要がある。
  2. 無理やり貸させるのは逆効果。大人が大切な車を勝手に貸されるのと同じ苦痛。
  3. 親自身が子供の所有物を尊重し、分かち合う姿(模範)を見せることが最高の教育。

今日から、お子さんがおもちゃを独り占めしても叱らないでください。「そう、それはあなたのものだね」と認めてあげましょう。それが、将来の「優しさ」への最短ルートです。

Next Action:子供の「宝物」を尊重する

お子さんが一番大切にしているおもちゃやタオルは何ですか? 今日からそれを扱う時は、必ず**「これ、ママ(パパ)も触っていい?」と聞いてから触る**ようにしてみてください。その小さな敬意が、子供の自己肯定感(所有感)を大きく育てます。

子育てにおける『7つの習慣』の応用について、より具体的に知りたい方は、**『7つの習慣 ファミリー』**がおすすめです。 今回の「所有と共有」の話をはじめ、家族関係を円満にするための知恵が詰まった、全家庭必携の一冊です。

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ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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