文句ばかり言う人がどんどん「無力」になる理由。エネルギーを注ぐべきはそこじゃない。
「なんで上司はあんなに無能なんだろう」 「景気が悪いせいで、給料が上がらない」 「あの芸能人の不倫ニュース、許せない!」
毎日、テレビやSNS、あるいは職場の人間関係を見て、このようなイライラを募らせていませんか?
実は、このように「自分ではコントロールできないこと」にエネルギーを使えば使うほど、あなたの立場は弱くなり、状況は悪化していきます。
この記事では、『7つの習慣』の中でも特に有名なツールである**「影響の輪」と「関心の輪」**について解説します。 理学療法士として患者さんに接する際も、「もう二度と元の体には戻らない(変えられない事実)」を嘆くより、「残された機能で何ができるか(変えられる未来)」に集中する方が、圧倒的に回復が早いのです。
結論をお伝えします。幸せに成功したければ、他人の批判(変えられないこと)はやめて、自分ができること(変えられること)だけに全集中しましょう。
あなたのエネルギー、漏れていませんか?
私たちの関心事は、大きく2つの輪に分けられます。
- 関心の輪(Circle of Concern) 興味はあるけれど、自分ではコントロールできないこと。 (例:天気、景気、他人の性格、過去の失敗、芸能ニュース)
- 影響の輪(Circle of Influence) 自分の力でコントロールできること、影響を及ぼせること。 (例:今日の服装、自分のスキルアップ、明日の仕事の準備、言葉遣い)
「反応的な人」は文句を言いながら小さくなる
コヴィー博士は、ダメなパターン(反応的な人)についてこう述べています。
「反応的な人が労力をかけるのは影響の輪の外である。他者の弱み、周りの環境の問題点、自分にはどうにもできない状況に関心が向く」
雨が降った時に「なんで雨なんだ!最悪だ!」と空に向かって怒鳴っている人を見たらどう思いますか? 「無駄なことしてるな…」と思いますよね。 しかし、私たちは職場でこれと同じことをしています。「会社の方針がおかしい」「あの人が変わってくれない」と。
ネガティブなエネルギーは自分を蝕む
「自分が影響を及ぼせる物事をおろそかにしてしまうと、ネガティブなエネルギーが増え、その結果、影響の輪は小さくなっていく」
「変えられないこと」に執着して愚痴を言っている間、あなたは「変えられる自分(影響の輪)」を放置しています。 すると、周囲からは「あの人は文句ばかりで何もしない人だ」と評価され、信頼を失い、ますます影響力がなくなっていく(輪が小さくなる)のです。
「主体的な人」は変えられることだけに集中する
一方、成功する人(主体的な人)の思考はシンプルです。
「主体的な人は、影響の輪の領域に労力をかけている」
雨が降ったら(関心の輪)、彼らは空に文句を言う代わりに、「お気に入りの傘を持っていく」「室内で楽しめる読書をする」という自分の行動(影響の輪)を選びます。
ポジティブなエネルギーが周囲を変える
不思議なことに、自分ができることに集中して結果を出していると、周りが放っておかなくなります。
「主体的な人のエネルギーには、影響の輪を押し広げていくポジティブな作用があるのだ」
「文句を言わずに黙々とスキルを磨いている人」がいれば、周囲は「彼に任せてみよう」「意見を聞いてみよう」と思いますよね。 結果として、自分のコントロールできる領域(影響の輪)がどんどん広がっていくのです。
まとめ・アクションプラン
今回の記事のポイントは以下の3点です。
- 悩みは「自分で変えられるか(影響の輪)」「変えられないか(関心の輪)」で区別できる。
- 「変えられないこと」に悩むのは、雨雲に怒鳴るのと同じで、自分を無力にするだけ。
- 「変えられること」に集中すれば、ポジティブな影響力が広がり、結果的に状況は好転する。
今日から、テレビのニュースや他人の噂話に心を奪われるのをやめましょう。そのエネルギーを、たった一つでもいいので「自分磨き」に使ってください。
Next Action:悩みの「仕分け」をする
今、あなたが抱えている悩みや不安を紙に書き出してみてください。 そして、その横に**「自分でコントロールできる(○)」か「できない(×)」**かを書き込みます。
- 「上司の機嫌(×)」→ 考えるのをやめる。
- 「上司への報告のタイミング(○)」→ 今すぐ工夫する。
×がついた悩みは、ゴミ箱へ捨てましょう。○がついたものだけに取り組むこと。これが最強のメンタル管理術です。
この思考法をより深く身につけたい方は、**『7つの習慣』**が最高の教科書になります。特に「第1の習慣」だけでも読む価値がありますので、ぜひチェックしてみてください。
