その会議、時間の無駄です。「紙に書いて壁に貼るべき」コヴィー博士の絶対法則とは?
「会議で『やろう!』と決まったのに、蓋を開ければ動いているのは自分だけ……」 「部下に指示を出しても、言われたことしかやらない」
職場でも家庭でも、このような「温度差」にイライラしてしまうことはありませんか?
相手のやる気がないからだ、能力が低いからだと嘆く前に、実はたった一つ、あなたが見落としている重要なプロセスがあるかもしれません。
この記事では、世界的名著『7つの習慣』の著者、スティーブン・R・コヴィー博士が「これだけは絶対に忘れてはいけない」と強調する、人間心理の絶対法則をご紹介します。
結論から言います。 人が本気になるかならないかは、**「その決定プロセスに参加したかどうか」**だけで決まります。
この法則を知れば、あなたのチームや家族の雰囲気は劇的に変わるでしょう。
「笛吹けど踊らず」の最大の原因
あなたがリーダーで、新しいプロジェクトを立ち上げたとします。 完璧な計画を立て、効率的なスケジュールを組み、「さあ、この通りにやってくれ」と部下に渡しました。
しかし、部下の反応は鈍い。「わかりました」とは言うものの、熱意が感じられない。トラブルが起きればすぐに「どうしますか?」と指示を仰いでくる。
なぜでしょうか? それは、彼らが**「お客さん」扱いされているから**です。
コヴィー博士は、この状況について次のように述べています。
自分が参加していないことに打ち込む決意をする人などいない。
人間は、他人が勝手に決めたことに対して、心の底から「成功させたい」「責任を持とう」とは思えない生き物なのです。たとえそれが、どんなに素晴らしい計画であったとしても、です。
壁に貼るべき黄金律「参加なければ決意なし」
コヴィー博士は、この原則があまりにも重要であるため、読者に対して異例の呼びかけをしています。
参加なければ決意なしと紙に書いて、星印をつけ、丸で囲み、アンダーラインを引いてほしい。
英語では**「No Involvement, No Commitment」**と言います。
- Involvement(参加・関与):決定プロセスに意見を言ったり、関わったりすること。
- Commitment(決意・約束):結果に対して責任を持ち、本気で取り組むこと。
この2つはセットです。「参加」がない場所に「決意」は絶対に生まれません。 逆に言えば、「決意」を引き出したければ、必ず「参加」させなければならないのです。
「旅行の計画」で考えるとわかりやすい
例えば、友人と旅行に行くとします。
- ケースA:友人が行き先も宿もスケジュールも全部決めて、「当日は朝8時に来て」と言われた。
- ケースB:「どこ行きたい?」「何食べたい?」と相談しながら一緒に計画を立てた。
もし当日、電車が遅れたり、店が閉まっていたりしたらどうでしょう?
ケースAの場合、「えー、どうすんの?(君が決めたんでしょ)」と文句を言いたくなりませんか? ケースBの場合、「じゃあ別の店を探そう!」と自分ごととして解決しようとしますよね。
これが「参加」の魔力です。自分の意見が少しでも反映されていると、人はそれを「自分のプロジェクト」と認識し、成功させるために全力を尽くすようになるのです。
遠回りに見えて、実は最短ルート
「いちいち部下の意見を聞いていたら時間がかかる」 「子供に選ばせたら、変なものを選ぶに決まっている」
そう思う気持ちもわかります。自分で決めて指示したほうが早いですよね。 これをコヴィー博士は**「効率性」と呼びます。しかし、人間関係において重要なのは効率ではなく「効果性」**です。
- 命令する場合:決めるのは5分(早い)。しかし、実行段階でのやる気はゼロ。監視や指示出しに膨大な時間がかかる。
- 参加させる場合:話し合いに1時間かかる(遅い)。しかし、一度決まれば全員が自発的に動くので、管理の手間は激減する。
結果として、「参加させる」ほうがトータルの時間は短く、成果も大きくなるのです。
たとえあなたの案が100点満点で、部下の案を取り入れることで80点の計画になったとしても、実行するメンバーの熱意が100%なら、結果的には120%の成果が出ます。 熱意のない100点の計画は、現場では0点になりかねないのです。
まとめ・アクションプラン
人を動かすのに、カリスマ性や恐怖政治は必要ありません。必要なのは「参加のチケット」を渡すことです。 要点をまとめます。
- 人は、自分が決定に関与していないことに対して、本気でコミットすることはない。
- 「参加なければ決意なし(No Involvement, No Commitment)」は、紙に書いて貼るべき鉄則。
- 決定に時間をかけて相手を巻き込むことが、結果として実行スピードと質を最大化する。
Next Action
明日の会議や家族会議から、**「決定事項を伝える」のではなく「決定プロセスを見せる」**ように変えてみてください。
「こうしようと思うんだけど、どう思う?」「君ならどうする?」 この一言を投げかけるだけで、相手の目の色が「他人事」から「自分事」に変わる瞬間が見られるはずです。
もし、組織のマネジメントやリーダーシップについてさらに深く学びたいなら、**『7つの習慣』**を再読することをおすすめします。 特にこの「参加なければ決意なし」の原則は、家庭や職場だけでなく、あらゆる人間関係の摩擦を減らす特効薬になるはずです。
