『暴かれた矛盾、消費税答弁の崩壊と賃上げ阻害の真実』
答弁に潜む決定的な矛盾
物価高対策や税制に関する議論が続く中、国会である重大な論理的矛盾が浮き彫りになった。参政党の安藤議員による質疑だ。そこで明らかになったのは、財務省側の答弁が現実のデータと完全に食い違い、論理破綻を起こしているという事実である。今回は、政府が陥った「詰み」ともいえる状況について整理し、日本経済の足枷となっている構造的欠陥を紐解いていく。
焦点となったのは、消費税が適切に価格に上乗せされているか、いわゆる「価格転嫁」の問題だ。財務大臣は過去の調査結果を根拠に「9割は転嫁できている」と答弁した。消費者が負担した税金を、事業者が預かって納める。この建前が機能しているならば、滞納など本来起こり得ないはずである。
異常な滞納額が示す真実
しかし、現実は全く異なる。消費税の滞納額は年々増加の一途をたどり、令和6年度には5000億円を超えると見込まれている。利益に対して課税される法人税の滞納額と比較しても、その差は歴然だ。ダブルスコア、あるいはトリプルスコアで消費税の滞納が突出しているのである。
「9割が転嫁できている」という政府の前提に立てば、事業者の手元には納税資金があるはずであり、この異常な滞納額の説明がつかない。政府側も滞納の増加事実は認めたものの、その理由については「個々の事情によるため不明」と言葉を濁した。9割転嫁できているはずなのに、なぜか払えない。ここに最初の、そして致命的な矛盾が存在する。
経営を蝕む過酷な徴税システム
なぜこれほど滞納が多いのか。その答えは消費税の構造そのものにある。法人税は「利益」に対して課税されるため、赤字であれば発生しない。対して消費税は、たとえ赤字経営であっても、人件費などの経費を含む付加価値に対して課税される仕組みだ。
つまり、多くの中小企業は苦しい経営の中で、従業員の給料を支払うか、消費税を納めるかという究極の二択を迫られている構図が見えてくる。手元の資金を給料に回せば、当然、消費税は払えなくなる。滞納の実態とは、事業者が税金よりも雇用と従業員の生活を守ろうとした、苦渋の決断の結果といえるだろう。
「賃上げ阻害税」としての正体
ここで決定的な論理破綻が浮かび上がる。政府や財務省はこれまで、「消費税が賃上げを阻害するという指摘は当たらない」と繰り返してきた。しかし、現実はどうだろうか。資金を賃金支払いに充てた結果として滞納が発生しているならば、消費税の存在そのものが賃金支払いの足かせになっていることは明白だ。
「転嫁できている」と言い張りながら滞納の理由は答えられず、一方で「賃上げの邪魔はしていない」と主張する。このロジックはもはや成立していない。消費税こそが、日本経済の停滞と賃金抑制の根本原因ではないか。今回の国会質疑は、私たちが現場で感じていた違和感を、否定しようのない事実として突きつけたのである。
