なぜか物がすぐ壊れる、人が続かない…。長期的な成功に不可欠な「P/PCバランス」の話
「自分が担当のうちは、なんとか持ちこたえてくれ…」 「後のことは、次の担当者が考えればいい」
会社の備品や設備、あるいはプロジェクトの運営において、心のどこかでこんな**「使い捨て」の思考**を持っていませんか?
目先の利益や成果(数字)を出すことに必死になると、私たちはつい、それを生み出すための「土台(資産)」のケアを怠ってしまいます。
この記事では、『7つの習慣』で警鐘を鳴らされている**「死にかけたガチョウ(PC)の問題」**について解説します。
結論をお伝えすると、メンテナンス(維持管理)をコストではなく「投資」と捉えられない組織は、いずれ必ず崩壊します。
あなたの職場や家庭が、ボロボロの状態で次世代に引き継がれる「負の遺産」にならないための、重要な視点をお伝えします。
「成果」と「メンテナンス」のバランスとは?
まず、この話の前提となる**「P/PCバランス」**という考え方を、小学生でもわかるように解説します。
- P(Production): 成果、結果、欲しいもの(例:金の卵、売上、綺麗な部屋)
- PC(Production Capability): 成果を生み出す能力、資産(例:ガチョウ、製造マシーン、掃除機)
多くの組織は、「P(成果)」を出すことばかり求めます。 「もっと売上を出せ!」「もっと稼働させろ!」と命令します。
しかし、そのために「PC(資産)」のメンテナンスをサボるとどうなるでしょうか?
芝刈り機の例え
あなたが芝刈り機(PC)を使って、庭を綺麗にする仕事(P)をしているとします。 「刃を研ぐ時間も惜しい! どんどん刈れ!」と使い続けたら?
最初は良くても、いずれ刃はボロボロになり、エンジンは焼き付き、まったく芝が刈れなくなります。 これが**「P/PCバランスが崩れた状態」**です。
「後は野となれ山となれ」の無責任
組織の中でこのバランスが崩れると、悲劇が起こります。
自分の任期さえ良ければいい?
例えば、工場の責任者が「今期の利益」を最大化するために、設備の点検費用をケチってフル稼働させたとします。 確かにその期間の数字(P)は上がり、その責任者は「優秀だ」と評価されて昇進するかもしれません。
しかし、ボロボロになった設備(死にかけたガチョウ)を引き継いだ**「後任者」**はどうなるでしょうか?
就任した途端に機械が故障し、その修理費で赤字になり、生産はストップ。 「あいつが責任者になった途端にダメになった」と不当な評価を受けることになります。
組織の中でP/PCバランスを考えずに物的資産を使うと、組織の効果性が低下し、死にかけたガチョウ(PC)を後任に渡すことになる。
これは単なる「引継ぎミス」ではありません。組織の寿命を縮める**「資産の食いつぶし」**という罪深い行為なのです。
私たちの生活にもある「死にかけたガチョウ」
この話は、企業の経営者だけの話ではありません。私たちの身近な生活にも当てはまります。
- 健康: 「今週は忙しいから」と睡眠を削って仕事をこなす(P重視)。→ 体を壊して入院する(PC崩壊)。
- 人間関係: 相手への気遣い(メンテナンス)をせず、甘えてばかりいる。→ 愛想を尽かされて振られる。
- 家・車: 掃除や点検をサボる。→ カビだらけになったり、故障して高額な修理費がかかる。
これらはすべて、「今の快適さ」のために「未来の資産」を犠牲にしている状態です。
本当に優秀な人(組織)とは、今の成果を出しながらも、同時に「次の人が使いやすいように」「明日も元気に働けるように」、資産をピカピカに磨き上げている人のことを指すのです。
まとめ・アクションプラン
「メンテナンス」は無駄な時間ではありません。未来への最大のプレゼントです。
- 使い捨て思考を捨てる: 目先の成果だけを追うと、必ず後で大きなツケ(故障、崩壊)が回ってくる。
- 後任への配慮を持つ: 「自分が去った後、さらに良くなっている状態」を目指すのが真のリーダーシップ。
- メンテナンスは投資: 道具を磨く、体を休める、設備を点検する。これらは成果を生み出し続けるための必須条件。
Next Action: 今日、職場のデスク周り、あるいは自宅のキッチンなど、**「普段使っている道具」を一つだけ丁寧にメンテナンス(掃除・手入れ)**してみてください。
「いつもありがとう、また明日も頼むよ」という気持ちで磨くこと。 この小さな習慣こそが、あなた自身のP/PCバランスを整え、長続きする成功への第一歩となります。
