自己啓発

誰も簡単だとは言っていない ― セネカに学ぶ「険しい道を歩む勇気」

古代ローマの哲学者セネカは『倫理書簡集』の中で、善き人間のあり方についてこう語っています。

「善良な人々は、自分が正しいと思うことをし、そのためなら苦労もいとわない。たとえ怪我や危険があろうとも、正しいことならやり遂げるのだ。」

善い行いは決して楽な道ではありません。簡単にできるものなら、誰だってそうしているはずです。しかし、実際には多くの人が誘惑に負け、安易な道を選んでしまいます。

善い行いはなぜ難しいのか

  1. 悪は魅力的だから
     富、快楽、権力――それらは一時的な魅力で人を引きつけます。だからこそ抵抗するのは難しいのです。
  2. 善は苦労を伴うから
     正しいことを貫くには、犠牲や忍耐が必要になります。短期的には不利に見えることも少なくありません。
  3. 周囲からの圧力があるから
     善い行動はときに孤立を招きます。「なぜそこまで?」と疑問や批判にさらされることもあります。

「務め」はあなただけに割り当てられている

セネカは、務めが困難であることを前提としています。もし誰にでも容易にできることなら、その務めはすでに他の人に任されているでしょう。

👉 しかし、困難だからこそ、それは あなたに割り当てられた務め なのです。

誘惑に勝つための心構え

  • 自分の基準を明確にする
     「正しいこと」と「卑しいこと」の線引きを自分の中で定義する。
  • 短期的な利益より長期的な価値を選ぶ
     一時の快楽に流されず、将来の誇りを優先する。
  • 困難を歓迎する態度を持つ
     険しい道は、あなたが強さを発揮できる場にほかならない。

まとめ

善い行いが簡単なら、誰も苦労しません。誘惑が魅力的で、務めが険しいからこそ、それを乗り越える価値があるのです。

セネカの言葉が示すのは、「誰も簡単だとは言っていない。しかし、それでも正しいことをするのがあなたの務めだ」という真実です。

今日もあなたに与えられた務めは、もしかすると楽ではないかもしれません。けれど、その険しい道を歩むからこそ、あなたは他の誰でもない「あなた自身」になるのです。

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taka
理学療法士TAKAが自分の臨床成果を少しでも高めるために、リハビリ・運動学・生理学・物理療法について学んだ内容を発信。合わせて趣味の読書や自己啓発等の内容の学びも自己満で発信するためのブログです。