まだガミガミ言ってるの?「グリーン・アンド・クリーン」なら子供も部下も勝手に動き出す
「部下の仕事がいまいちで、いちいち修正指示を出すのが面倒だ」 「子供に『片付けなさい』と毎日言うのに、一向にきれいにならない」
このように、誰かの行動をチェックし、評価し、ダメ出しをする日々に疲れ果てていませんか?
監視する側もされる側も、一方的な評価は精神的なエネルギーを消耗します。関係もギクシャクしがちですよね。
この記事では、世界的ベストセラー『7つの習慣』で紹介されている**「グリーン・アンド・クリーン」**という概念を元に、相手が自分で自分を評価し、勝手に成果を出してくれる仕組みについて解説します。
私は普段、リハビリの現場で患者さんの自立支援を行っていますが、この「自己評価」のシステムを取り入れると、驚くほど人が能動的に変わり始めます。
結論をお伝えします。人を動かすのに「命令」や「採点」はいりません。必要なのは、事前の「握り(合意)」だけです。その具体的な方法を見ていきましょう。
なぜ「一方的な評価」は疲れるのか?
まず、従来型の「上司が部下を評価する」「親が子供を評価する」というスタイルがなぜうまくいかないのか考えてみましょう。
それは、関係性が**「警察と泥棒」**のようになってしまうからです。
- 評価する側(警察): 「サボっていないか?」「ミスはないか?」と粗探しをする。
- 評価される側(泥棒): 「怒られないようにやろう」「バレなきゃいいや」と防御の姿勢になる。
これでは、お互いに疑心暗鬼になり、信頼関係など生まれるはずがありません。 リハビリでも、「先生に怒られるから運動する」という患者さんは、家では絶対に運動しません。これでは成果が出ないのです。
7歳でもできる!「グリーン・アンド・クリーン」の魔法
そこでコヴィー博士が提唱するのが、**「Win-Winのパラダイム(合意)に基づいた自己評価」**です。
著書の中に、コヴィー博士が7歳の息子に「庭の手入れ」を任せる有名なエピソードがあります。 博士は「あそこを掃除しろ、ここを拾え」と指示する代わりに、たった一つのゴールだけを共有しました。
「庭全体が『グリーン・アンド・クリーン(緑色できれい)』な状態であればいいんだよ」
1. 基準を明確にする
博士は息子と一緒に庭を見て回り、「きれい」の定義をすり合わせました。 「紙くずが落ちていないこと」「枯れた芝生がないこと」。 この**「ゴールの映像」**さえ共有できていれば、やり方は問いません。手で拾おうが、熊手を使おうが、息子の自由です。
2. 自分で評価させる
そしてここが最重要ポイントです。 作業が終わった後、博士は「よくやった」「ダメだ」とは言いません。こう尋ねるのです。
「どうだい? 庭は『グリーン・アンド・クリーン』かな?」
基準(ゴール)は最初に合意しているので、7歳の子供でも嘘はつけません。 「うーん、あそこはまだ少し汚れているね」と、自分で気づき、自分で修正することができます。
「裁判官」から「パートナー」へ
このやり方の素晴らしい点は、あなたの役割が「裁く人(裁判官)」から「助ける人(パートナー)」に変わることです。
- 従来: 「ここがダメじゃないか!(叱責)」→ 部下「すみません(反発)」
- Win-Win: 「君の自己評価はどう? 手伝えることはある?(支援)」→ 部下「ここはまだ未達です。次はこうします(自律)」
評価の権限を相手に渡すことで、相手は「自分の仕事」として責任を感じ始めます。 自分で決めた基準であれば、人は言い訳をしません。
経済活動におけるメリット
この手法はビジネスでも絶大な効果を発揮します。 上司がいちいちチェックしなくても、部下が「あらかじめ決めた基準(売上や品質)」と照らし合わせて、「今月はまだ足りていないので、この策を打ちます」と自走してくれるようになるからです。
管理コストが下がり、成果が上がり、人間関係も良くなる。まさにWin-Winです。
まとめ・アクションプラン
今回の記事では、相手を自律させる「自己評価」の仕組みについて解説しました。要点は以下の3つです。
- 一方的な評価(警察スタイル)は、お互いに精神的疲労を生み、関係を悪化させる。
- **「グリーン・アンド・クリーン」**のように、最初に成果の基準(ゴール)を明確に合意することが重要。
- 評価権限を相手に渡し、**「自己評価」**させることで、7歳の子供でも責任感を持って動くようになる。
最後に、今日からできるアクションプランを提案します。
【Next Action】 誰かに仕事を頼むとき、あるいは子供にお手伝いを頼むとき、「やり方」を説明するのをグッとこらえて、まず**「完了した時の理想の状態」**だけを話し合ってみてください。
「この部屋がどうなっていたら『完了』かな?」 「この資料で、相手がどうなれば『成功』かな?」
そして、終わった後に**「自分で点数をつけるとしたら何点?」**と聞いてみましょう。 その問いかけが、相手を「指示待ち人間」から「自律型人間」へと変えるスイッチになります。
