「無事なときには心を引き締め、有事の際にはゆとりを持つ」──菜根譚が教える、心のバランスを保つ知恵
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古代ローマ皇帝マルクス・アウレリウスは『自省録』でこう戒めています。
「もうたくさんだ。こんな惨めな、不平ばかりの生き方は。まるで猿のようではないか!」
彼が言う「猿のような生き方」とは、責任を避け、不満や怠惰に流される姿勢のことです。これは二千年前の哲学にとどまらず、現代を生きる私たちにも痛烈に突き刺さる言葉です。
作家ジョーン・ディディオンは『オン・セルフリスペクト』の中でこう述べています。
「人格とは、自分の人生に責任をもとうとする意志のことである。そして、この人格という泉から自尊心が湧き出てくる。」
つまり、自尊心は「責任」から生まれるのです。逃げ続け、不満を言い続けるだけでは、人格は磨かれず、自尊心も育ちません。
マルクス・アウレリウスもディディオンも共通して強調するのは、「後で」ではなく「今始めよ」ということ。
こうした「先延ばし」は永遠に続きます。人格を磨く第一歩は、「今この瞬間に責任を引き受けること」なのです。
ディディオンは、自尊心を持たない生き方を「眠れぬ夜」に例えています。
これは、人格を磨く努力を怠った結果にほかなりません。
不平や怠惰に流される猿まねのような生き方から抜け出すために必要なのは、責任を持ち、人格を磨くこと。そして、それを 「今すぐに始める」こと です。
人格を磨けば、自尊心は自然に育ちます。逆に、責任から逃げるなら、失うのは自尊心と安らぎです。
今日から一つ、小さな責任を果たしてみませんか? その積み重ねが、あなたの人生を猿まねから「本当の自分の生き方」へと変えていくのです。