「いい人」を演じるのはもう終わり。本物のWin-Winを作る4つの条件
「Win-Winなんて、理想論にすぎないよ」 「結局、どっちかが我慢しなきゃいけないんじゃないの?」
仕事や日常生活の中で、そう感じてしまうことはありませんか? 多くの人がWin-Winを「お互いにちょっとずつ譲歩して、50:50で手を打つこと(妥協)」だと思っています。
しかし、世界的ベストセラー『7つの習慣』の著者、スティーブン・R・コヴィー博士によれば、Win-Winはそんな表面的なテクニックではありません。
それは、**「自分も勝ち、相手も勝つための、全く新しい物の見方(パラダイム)」**です。
この記事では、Win-Winを単なる「きれいごと」で終わらせず、現実の成果に結びつけるための、深いプロセスについて解説します。
結論から言うと、Win-Winとは「信頼の貯金」と「仕組み」の上に成り立つ、最高のチームプレーなのです。
Win-Winは「技術」ではなく「人格」から生まれる
多くの人がWin-Winを「話し方のテクニック」だと思い、相手を説得しようとします。しかし、コヴィー博士は、Win-Winの源泉は**「人格」**にあると断言しています。
以下の3つを備えた人格がなければ、Win-Winは始まりません。
- 誠実(Integrity): 自分との約束を守り、裏表がないこと。
- 成熟(Maturity): 自分の意見を言う「勇気」と、相手を立てる「思いやり」を両立させていること。
- 豊かさマインド(Abundance Mentality): 「幸せのパイは無限にある。誰かが勝っても自分の分は減らない」と信じていること。
どれだけ上手な言葉を使っても、心の底で「最後は自分が得をしたい」と思っていたり、自分に自信がなかったりすれば、それはただの「偽物のWin-Win」になってしまいます。
信頼という「土台」がなければ崩れてしまう
Win-Winが機能するためには、相手との間に**「厚い信頼関係」**が必要です。
これを博士は「信頼残高」と呼びました。 お互いに十分な信頼の貯金があれば、たとえ意見が食い違っても「この人は私を騙そうとしていない」「二人でベストな答えを探しているんだ」という安心感を持って対話できます。
逆に、信頼がない中でのWin-Win交渉は、お互いに相手の出方を探り合う「化かし合い」になってしまいます。
感情だけでなく「仕組み(システム)」で支える
Win-Winを継続させるには、個人のやる気だけでなく**「実行協定」と「システム」**が不可欠です。
- 実行協定: 「誰が何をやるか」「期待される結果は何か」を事前に明確に握っておくこと。
- システム: 「Win-Winの結果を出した人が報われる仕組み」を作ること。
例えば、チームで「Win-Winでいこう!」と言いながら、評価制度が「個人売上のランキング順」だったらどうでしょう? 全員がライバルになり、足の引っ張り合いが起きますよね。 Win-Winを成功させるには、**全員が協力したほうが得になるような「仕組み」**で支える必要があるのです。
シナジーという「完成形」へ
Win-Winのパラダイムは、最後に2つのプロセスを経て完成します。
- 共感によるコミュニケーション: まず相手を深く理解し、相手が何をもって「勝ち(Win)」とするのかを知る。
- シナジーのプロセス: 1+1が3にも10にもなるような、新しい解決策(第3の案)を一緒に創り出す。
「私の案」か「あなたの案」か。そのどちらかを選ぶのではなく、二人の知恵を出し合って、**「二人ともが予想もしなかった、もっと素晴らしい案」**にたどり着く。 これこそが、Win-Winというパラダイムの完成した姿です。
まとめ・アクションプラン
Win-Winは、一朝一夕で身につくスキルではありません。
- Win-Winは表面的なテクニックではなく、誠実さ・成熟・豊かさマインドという「人格」から生まれる。
- 「信頼関係」という土台と、「実行協定」「評価システム」という仕組みが、Win-Winを現実のものにする。
- 相手への深い共感を通じて「シナジー(相乗効果)」を起こすことが、Win-Winの最終形である。
「全員が勝つ世界」を作るための Next Action
【相手の「Win」を想像してみる】 次に誰かと相談や交渉をするとき、自分の要望を言う前に、こう自分に問いかけてみてください。 「相手にとって、この件での『勝利(Win)』とは一体何だろう?」
相手が大切にしていること、求めている結果を理解しようと努める。その小さな一歩が、あなたと相手の関係をWin-Winへと導く強力なスタートになります。
