政治・経済

「独裁者」を生むシステム。小選挙区制という日本の癌

taka

政治家が「志」を失い、イエスマンになった理由

今の自民党議員には、総理大臣の暴走を止める気概がない。「なぜ彼らはこれほどまでに去勢されてしまったのか」と嘆く前に、その構造的な欠陥に目を向けるべきである。かつての自民党には、総理に対して堂々と異論を唱える多様性があった。しかし現在、官邸の力は肥大化し、総理は半ば独裁的な権限を振るっている。その元凶こそが、1つの選挙区からたった1人の当選者しか選ばない「小選挙区制」という選挙システムであるといえる。

「公認」という生殺与奪の権限

小選挙区制の最大の問題は、党からの「公認」がなければ当選が絶望的になるという点だ。1人しか受からない以上、党の看板を背負えるのは1人だけ。つまり、総理大臣や執行部に「公認しないぞ」と脅されれば、政治家としての生命を絶たれるに等しいのだ。この「公認権」という最強の武器を握られたことで、議員たちは総理に歯向かうことができなくなり、保身のために沈黙するイエスマンへと成り下がってしまったのである。

小泉純一郎が完成させた「恐怖政治」

このシステムの恐ろしさを最も効果的に利用したのが、小泉純一郎元総理であった。郵政民営化に反対する議員に対して「公認を与えない」という粛清を行い、さらにはその選挙区に「刺客」と呼ばれる対立候補を送り込んで徹底的に叩き潰した。あの「郵政解散」によって、党内の議論や多様性は死滅し、「総理の言うことは絶対」という独裁的な空気感が完成してしまったといえる。

中選挙区制の復活が民主主義を守る

政治家に再び自由と志を取り戻させるためには、選挙制度をかつての「中選挙区制」に戻す以外に方法はない。1つの選挙区から複数の当選者が出る中選挙区制ならば、たとえ党の主流派から公認されなくても、あるいは無所属であっても、実力と地盤があれば当選するチャンスが残る。ボスに睨まれても、自分の信念を貫いて選挙に勝てるルートを確保すること。それこそが、今の窒息しそうな日本の政治に風穴を開け、健全な民主主義を取り戻すための急務である。

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ABOUT ME
TAKA
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理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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